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松本上野遺跡の調査成果を紹介します
所在地
高山市丹生川町新張(たかやましにゅうかわちょうにいばり)
地図<外部リンク>
時代
縄文時代、平安時代から鎌倉時代
発掘区遠景(北から)
発掘状況
松本上野遺跡は高山市中心部の北東の「上野平」(うわのだいら)と呼ばれる台地状地形に立地しています。下呂石(げろいし)製の石器が集中して出土した土坑2基を始め、縄文時代のものと考えられる土坑群と平安時代から鎌倉時代のものと考えられる木炭焼成坑(もくたんしょうせいこう)1基を確認しました。縄文土器は縄文時代早期末葉から前期、中期前半、晩期のものが出土しました。
発掘区近景(下が西)
下呂石製の石器が集中して出土した土坑
2基の土坑から下呂石製の石器が集中して出土しました。そのうちのSK5から下呂石製の石器30点がまとまって出土しました。石器は自然面が残る2センチメートル前後の剥片が多く、不要な剥片を廃棄した遺構の可能性があります。
下呂石製石器出土状況(南東から)
木炭焼成坑
木炭焼成坑は、木炭を作るために炭焼きを行った遺構です。年代測定の結果、平安時代中期から鎌倉時代の遺構であることが判明しました。遺構の長軸方向に平行になるように丸太材を設置し、その上に製品となる丸太材を並べたと考えられます。丸太材はコナラ材が使われていたことが判明しました。
炭化材出土状況(南から)
主な出土遺物
下呂石製の剥片石器(松本上野遺跡 石器)