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DXN類モニタリング調査結果(平成16年度分)
平成16年度環境中のダイオキシン類濃度の常時監視結果について
- 大気・地下水・土壌・河川底質は、全て環境基準に適合していた。
- 河川水質は、1地点で環境基準を超過した。(H17年4月1日既報)
ダイオキシン類対策特別措置法第26条(常時監視)に基づき、平成16年度に大気、水質、土壌等のダイオキシン類による汚染状況を調査した。(岐阜市は別途公表予定)
大気、地下水、土壌(一般土壌及び発生源周辺土壌)、河川底質は全て環境基準値に適合していた。河川水については、津屋川において環境基準を超過していた。津屋川流域の米及び水田土壌について追加調査の結果、特に問題は見られなかった。また、津屋川周辺の発生源及びその周辺土壌に異常はなく、津屋川の魚類についても、通常の食生活であれば問題のない結果であった。(平成17年4月1日資料提供済み)
調査方法
(1)調査時期平成16年4月〜平成17年3月
(2)調査地点
調査対象 | 調査地点数 | 検査件数 | 概要 | |
---|---|---|---|---|
大気 | 3地点 | 6件 | 定点3地点(年2回) | |
河川水 | 22地点 | 25件 | 河川水質環境基準点22地点、桑原川4回実 | |
地下水 | 10地点 | 10件 | 1市9町の常時生活用水等として使用されている井戸水 | |
土壌 | 一般 | 10地点 | 10件 | 5町5村の県民が利用する公園、学校の運動場などの土壌 |
発生源 | 21地点 | 21件 | 7発生源(焼却施設)周辺土壌、1発生源あたり周辺3地点の土壌 | |
河川底質 | 12地点 | 12件 | 河川水質環境基準点12地点 | |
計 | 78地点 | 78件 |
※河川水については、河川水質環境基準点67地点のうち、長良川など主要河川は毎年調査し、中小河川は3年周期で全地点を調査する。
農用地土壌及び農水産物については、農林水産局で別途調査を行っている。
調査結果
調査対象 | ダイオキシン類濃度 | 環境基準 | 全国状況(15年度) | 単位 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
濃度範囲 | 平均 | 濃度範囲 | 平均 | |||
大気 | 0.027〜0.054 | 0.042 | 0.6(年間平均値) | 0.0066〜0.72 | 0.068 | pg-TEQ/m3 |
河川水 | 0.057〜1.3 | 0.17 | 1(年間平均値) | 0.022〜11 | 0.27 | pg-TEQ/m3 |
地下水 | 0.056〜0.058 | 0.056 | 1(年間平均値) | 0.00032〜0.67 | 0.059 | pg-TEQ/m3 |
土壌(一般)(発生源) | 0.081〜3.90.0054〜11 | 0.831.7 | 1000 | 0〜3600〜1400 | 2.68.5> | pg-TEQ/m3 |
河川底質 | 0.056〜16 | 3.2 | 150 | 0.057〜410 | 6.3 | pg-TEQ/m3 |
1mg(ミリグラム) | 1μg(マイクログラム) | 1ng(ナノグラム) | 1pg(ピコグラム) | |
---|---|---|---|---|
g(グラム) | 1/1,000 | 1/1,000,000 | 1/10億 | 1/1兆 |
1×1/1,000 | 1×1/1,000 | 11/1,00 | 1×1/1,000 |
※TEQ:毒性等量(ToxicityEquivalencyQuantity)ダイオキシン類は、223種類の物質の総称で、これらの内、毒性のある物は29種類ある。この29種類の物質の毒性には強弱があるため、その内の最も毒性の強い2,3,7,8-TCDD(2,3,7,8-四塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン)の毒性を1(基準)として、それぞれのダイオキシン類の量を毒性の強さで乗じて換算集計したもの。
考察及びまとめ
(1)大気
3市3地点において、ダイオキシン類環境基準(以下、DXN環境基準と略)に適合した。平成10年の調査開始以降、継続調査地点でのダイオキシン類濃度の低下傾向が見られる。これは、平成12年1月15日にダイオキシン類対策特別措置法が施行され(排出基準が設定)、さらに、その排出基準が平成14年12月1日より厳しくなったことから、焼却施設の設備改善が進み、また、焼却施設の稼働基数が減少したことより、大気中への排出量が減少したものと考えられる。なお、全国的にも同様の傾向が見られる。
調査地点 | 10年度 | 11年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 環境基準 | |
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大垣市 | 消防本部 | 0.47pg-TEQ/m3 | 0.11pg-TEQ/m3 | 0.085pg-TEQ/m3 | 0.12pg-TEQ/m3 | 0.059pg-TEQ/m3 | 0.057pg-TEQ/m3 | 0.048pg-TEQ/m3 | 0.6pg-TEQ/m3 |
美濃加茂市 | 市役所 | 0.21pg-TEQ/m3 | 0.11pg-TEQ/m3 | 0.16pg-TEQ/m3 | 0.097pg-TEQ/m3 | 0.086pg-TEQ/m3 | 0.056pg-TEQ/m3 | − | |
高山市 | 花岡駐車場 | 0.073pg-TEQ/m3 | 0.036pg-TEQ/m3 | 0.055pg-TEQ/m3 | 0.088pg-TEQ/m3 | 0.051pg-TEQ/m3 | 0.035pg-TEQ/m3 | 0.038pg-TEQ/m3 | |
土岐市 | 市役所分庁舎 | − | − | − | 0.098pg-TEQ/m3 | 0.068pg-TEQ/m3 | 0.058pg-TEQ/m3 | 0.039pg-TEQ/m3 | |
郡上市 | 市役所美並庁舎 | − | − | − | − | 0.032pg-TEQ/m3 | 0.023pg-TEQ/m3 | − |
- 岐阜県の焼却施設稼働基数742基(法施行時の届出基数:平成12年3月末現在)→245基(平成17年3月末現在)
- 基準強化(例)1時間当たりの焼却能力が4t以上の焼却施設の場合平成14年12月1日から排ガス中のダイオキシン類濃度の排出基準が80ng-TEQ/m3に強化
(2)河川水
津屋川において環境基準を超過した。その他の地点についてはDXN環境基準に適合した。
平成17年度には、環境基準超過地点の上流の汚染状態の把握及び状況監視の強化のため、津屋川(福岡大橋)の河川水調査を年4回実施する。なお、平成12年度及び平成14年度にDXN環境基準を超過した桑原川においては、年間平均値が0.63pg-TEQ/LでありDXN環境基準(1pg-TEQ/L)に適合した。
10年度 | 11年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 環境基準 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
濃度 | − | − | − | 0.86pg-TEQ/L | 0.89pg-TEQ/L | 0.58pg-TEQ/L | 1.3pg-TEQ/L | 1pg-TEQ/L |
※津屋川流域の米及び水田土壌については問題のない数値であった。
津屋川の魚類については通常の食生活であれば問題のない数値であった。(平成17年4月1日資料提供済み)
10年度 | 11年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 環境基準 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
濃度 | − | − | 2.0pg-TEQ/L | 0.79pg-TEQ/L | 1.2pg-TEQ/L | 0.99pg-TEQ/L | 0.63pg-TEQ/L | 1pg-TEQ/L |
(3)地下水
1市9町の10地点の地下水については、きわめて低濃度であり、DXN環境基準に適合した。
(4)土壌
平成14年度から一般土壌の他に、発生源(焼却施設)周辺(1発生源あたり3地点)の土壌調査を行っている。
平成16年度は5町5村の19地点の一般土壌において、DXN環境基準及び調査指標値に適合した。
また、7発生源周辺の21地点においては、一般土壌に比べ、若干高い値であったが、DXN環境基準及び調査指標値を大きく下回った。
なお、平成17年度は、発生源周辺土壌の調査を6焼却施設周辺で実施する。
※調査指標値:DXN環境基準以下であるが、さらに周辺のダイオキシン類濃度を把握するための調査が必要となる指標値(調査指標値250pg-TEQ/g)
(5)河川底質
長良川、木曽川、揖斐川など11河川12地点において、DXN環境基準を大きく下回った。
また、平成15年度の全国調査の最高値及び平均値を比較すると、それぞれにおいて大きく下回った。
測定結果の詳細については平成16年度ダイオキシン類常時監視結果についてからご覧ください。