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恵那市社会福祉協議会中野方支部

恵那市社会福祉協議会中野方支部(恵那市)へアドバイザーを派遣しました

 恵那市中野方地区では、高齢化率が44%となり、一人暮らしの高齢者が増加しており、高齢者の孤立、QOL(QOL=Quality of life(クオリティ オブ ライフ)、「生活の質」「生命の質」)の低下、緊急時の早期発見などが課題となっています。恵那市社会福祉協議会中野方支部では、民生委員、福祉委員が週1回独居高齢者宅を訪問し、2か月ごとに報告会で情報を共有しています。しかし、見守りボランティアの高齢化により活動の負担が増えていることから、事業の取り組みについて先進的な事例を聞き、事業の継続、後継者の育成や福祉委員のモチベーションアップの方法などを学ぶため、民生委員、福祉委員、自治会長を対象とした勉強会を令和5年2月9日(木曜日)にリモートで開催しました。

 「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この勉強会の講師として、大垣市中川地区支え合いの会会長で、大垣市中川地区社会福祉推進協議会前会長 堀川弘之氏を派遣し、「中川地区の見守りネットワーク活動」と題して、地域での見守り活動の具体的な進め方や、見守り活動の重要な担い手である自治会長、民生・児童委員、福祉推進委員の研修など三者の情報共有の方法について講演をしていただきました。

 勉強会を通じて、恵那市社会福祉協議会中野方支部では、自治会と民生委員との連携強化の必要性の合意形成ができたので、今後連携をどのように進めていくか具体的な方法を検討されるとのことです。

主な講演内容

大垣市中川地区の特徴

    ・人口はおよそ13,000人、高齢化率は約25%
    ・小中学校、高等学校、専門学校、短大、大学が集積
    ・JR大垣駅や東海環状自動車道の大垣西インターチェンジにも近く、交通の便が良い。
  ・中川地区社会福祉推進協議会は、19の自治会と24の団体で構成されている。
  ( 19の自治会では、民生・児童委員23人と福祉推進委員69人が活動)

見守り活動について

  地域の支援を必要とする人の見守り(ネットワーク活動)の進め方

 見守り活動の第一歩として、地域の支援が必要な人(見守り対象者)を把握するため、自治会員名簿を作成し、それを基に65歳以上を対象とした実態調査を実施。

  1 各活動団体による日常的な見守り

 自治会長、民生・児童委員、福祉推進委員、専門相談機関などが、見守り対象者(一人暮らし高齢者、高齢者のみ世帯など)に日常的な見守りや自宅への定期訪問を通じ、近況や困りごとの把握、相談対応等を実施。

  2 小地域支援ネットワーク会議(見守り会議)

 各自治会単位で年3回以上開催し、自治会長、民生・児童委員、福祉推進委員の三者が、見守り対象者について情報共有を実施。地域住民だけで解決が難しい困難事例に関しては、必要に応じて地域包括支援センターなどの専門機関も参加し、情報共有や問題解決を図る。
 見守り対象者の家族や親族にも出席いただき、顔の見える関係をつくり、よりきめの細かいネットワークの構築を進めている。

 (好事例)日頃からヘルパーの訪問に合わせて見守りをしていた民生・児童委員が、見守り対象者の異変を感じ、ヘルパーと連携し、家の中で倒れていた一人暮らしの高齢者を発見。その後、自治会長へ事案を繋ぎ、家族と協議し、最適な対応をすることができた。

  3 地域支援ネットワーク委員会

 地区社協が年3回開催し、中川地区全域の自治会長、民生・児童委員、福祉推進委員等の関係団体の代表者と、行政、福祉、警察、消防などが、地区の見守り状況の情報共有を実施。見守り会議で出た課題や困りごとを地区で協議・検討する。
 「地域住民ニーズの把握」「安心見守りネットワークの推進」「支援機関との連携・体制づくり」の3つの役割を持つ。

   見守り活動の支援(三者合同研修会)

 自治会長、民生・児童委員、福祉推進委員の三者間での共通認識を深め、見守り活動への動議づけとなることを目的として、自治会ごとに年2回開催。

     1回目 要援護者情報一覧表の確認と要援護者地図の更新

 日常の見守り活動や災害時の支援活動に役立つ要援護者地図は、新しい支援者にも分かりやすいように、要援護者や支援者の自宅を色分け表示し、毎年、支援者のバランスや避難ルートの確認、見守り方法などをチェックする。
   更新時には、要援護者の体調、見守り状況、市の災害時見守り名簿との突合を行う。

        2 回目 いきいきサロンの運営や生活支援に関する研修

 見守り活動は、普段の活動を通じてつながりを育て、困りごとを聞きとっているからこそ成り立つもの。
 介護予防と閉じこもり防止のため、三者がスタッフになり年4回以上開催している「いきいきサロン」や、70歳以上の一人暮らし高齢者の孤独感解消のため、音楽の演奏や落語、手品、腹話術などを楽しみながら食事をする「高齢者を囲む会」の運営に関する研修を開催。その他にも「食事サービス」「友愛訪問」などの生活支援に関する研修も実施。

 食事サービスでは、月4回、200円の手作り弁当を30食分調理し配食。弁当には黄色いメッセージカードを添えて、食事の感想を寄せたり、困りごとなどを相談できるように工夫している。

 (課題)地域の高齢化、ボランティアの高齢化が進み、電気の点灯状況や冷蔵庫の開閉状況から異常を通知するシステムを活用した見守りなどを検討する時期になっている。

     地域で暮らす子どもたちの見守り

 1 青少年育成関係団体交流会

 毎年6月に、自治会⾧、自治会女性部、民生・児童委員、福祉推進委員、子ども会役員、社会教育推進員、学校教諭が町内ごとに集まり、地域で暮らす子ども達の安心・安全体制の強化、健全育成、課題等に関する懇談会を実施している。

  交流会を通じ、住民同士の連帯感が生まれ、互いに学び合う場となり、地域の絆を深める活動へと繋がっている。この効果を高めるために、話し合った取組みや課題を19の自治会のうち4自治会に代表して発表してもらうこと、話し合った結果を各自治会に持ち帰り自治会ミニ集会で周知することを実施している。

 2 自治会ミニ集会・小中合同子ども会

 毎年7月の第1土曜に、小中合同子ども会と合わせて、自治会長、民生・児童委員、福祉推進委員、青少年育成指導員、子ども会役員、見守りEye(※)、学校教諭、警察官などが参加して、ミニ集会を開催。青少年育成関係団体交流会の結果を子どもたちに周知し、地域ぐるみで地域の安全に関する共通理解を深めている。

  (※)見守りEye

 地区内18団体261人が参加する「見守りEye」では、登下校の見守りのほか、神社、公園などの巡回を行い、不審者を見かけた際に、関係機関への通報を行う。小学校では、毎年1回感謝の会が開かれ、子ども達からお礼の手紙をいただくことがある。

 

 今後の抱負について

 「急速に進む高齢社会やライフスタイルが多様に変化する中で、地域の見守り活動に、自治会、民生・児童委員、福祉推進委員が果たす役割は極めて重要です。人は、家庭で育ち、学校で学び、地域で伸びると言われています。そこで、研修会や会議を通じて互いに情報交換し、均一な見守り活動の充実を図っていきたいと思います。また、家具の固定などのように災害に備えた手配りと見守りネットワークの目配りを連動して、さらなるネットワークの充実を図る、そして地域のみなさんがこの町に生まれて良かった、この町に来て良かったと思っていただけるような地域づくりを目指していきたいと思っております。」と講演を結ばれました。                                         

 

講師の堀川弘之氏 勉強会の様子(1)

講演の様子

講師の堀川弘之氏

講演会の様子 講演会の様子
      勉強会の様子(2)         勉強会の様子(3)        質疑応答の様子
講演会の様子 講演会の様子 質疑応答の様子