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清願寺跡(せいがんじあと)
所在地
美濃市横越
地図<外部リンク>
時代
中世から近世
清願寺跡遠景(東から撮影)
発掘状況
清願寺跡は、美濃市市街地から長良川を隔てて西へ約1キロメートル、誕生山南西麓の傾斜地上に位置しています。発掘調査によって、近世初頭以前に遡る可能性のある礎石建物や、近世の甕埋設遺構などを確認しました。また、近世・近代の陶磁器に加えて、山茶碗・土師器皿・土錘・金属製品・石製品などさまざまな遺物が出土しました。
発掘区全景(南東から撮影)
礎石建物
発掘区の東側からは礎石1基と礎石据付穴1基を確認し、ほぼ南東向きの建物であったと推測できます。また、周辺の遺物包含層からは近世陶器・土師器皿などの遺物、敷土内からは内面が丁寧に調整された土師器皿が出土しました。
礎石建物の検出状況
江戸時代の甕埋設遺構
発掘区西側からは甕埋設遺構が見つかっています。甕は農耕に用いられた水甕であった可能性が高く、17世紀末から18世紀初頭の遺構と推測されます。この時期には甕埋設遺構を境に山側が一段高くなっていましたが、幕末期には山側へ平坦地が拡張されたと推測されます。
甕埋設遺構の出土状況