本文
大杉西遺跡(おおすぎにしいせき)
所在地
関市大杉
地図<外部リンク>
時代
縄文時代・弥生時代・近世
大杉西遺跡全景(西から)
発掘状況
大杉西遺跡は、関市街地から南東へ約4キロメートルに所在し、関市南東部から美濃加茂市加茂野町、加茂郡坂祝町にかけて広がる台地の西端近くに位置しています。発掘調査では、縄文時代中期及び弥生時代後期の集落跡を確認しました。縄文時代の遺構としては、竪穴建物1棟、掘立柱建物1棟などを検出しました。弥生時代の遺構としては、竪穴建物1棟、掘立柱建物3棟、方形周溝墓3基などを検出しました。また、縄文土器、弥生土器、石器などの遺物が出土しました。
縄文時代の掘立柱建物
大杉西遺跡では、県内4例目の縄文時代中期末の掘立柱建物を検出しました。桁行約4メートル21センチメートル、梁行約4メートル81センチメートルで、四隅の柱穴が柱間中央の柱穴より大きいという特徴があります。
掘立柱建物完掘状況
弥生時代の土器棺墓
土器の表面には炭化物が付着していることから、元々、煮炊き用として使用されていた甕が、棺として転用されたと考えられます。
土器棺墓の出土状況
出土遺物
発掘区からは、縄文土器、弥生土器、石器などの遺物が出土しました。縄文土器の器種は大半が深鉢で、時期は縄文時代中期中葉から中期末です。中期の土器としては、特徴的な形状をもつ釣手土器が出土しました。弥生土器の器種は、甕、壺、高坏、器台、鉢などで、時期は弥生時代中期後葉から終末期です。石器は大半が縄文時代から弥生時代の遺構から出土しました。磨製石鏃の未製品と製品が多く出土している点が特徴です。
弥生時代の遺物