ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

日本脳炎ワクチン接種について

日本脳炎の予防接種について

 平成17年にマウス脳による製法の日本脳炎ワクチンを接種した後に重症ADEM(急性散在性脳脊髄炎)を発生した事例があったことから、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種の積極的な勧奨が差し控えられました。
 その後、新たなワクチン(乾燥組織培養日本脳炎ワクチン)が開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。
 予防接種法に基づく定期予防接種スケジュールは次のとおりです。

第1期(3回) 初回接種(2回) 生後6ヵ月以上90ヵ月未満(標準として3歳)
追加接種(1回) 初回接種後おおむね1年後(標準として4歳)
第2期(1回) 9歳以上13歳未満(標準として9歳)
  • 平成17年6月から平成22年3月までの積極的な勧奨の差し控えによって、接種を受ける機会を逸した方(平成7年4月2日~平成19年4月1日生まれの方)で、1期・2期の接種が終わっていない方は、20歳未満の間、日本脳炎の予防接種を定期として接種することができます。
  • 平成19年4月2日から平成21年10月1日までの間に生まれた方で、生後6か月から90か月に至るまでの間に第1期の接種を終了できなかった方は、第2期の対象年齢(9歳以上13歳未満)で、第1期の未接種分を接種することができます。

厚生労働省ホームページ(日本脳炎の予防接種について)<外部リンク>

日本脳炎とは

 日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患です。ヒトからヒトへの感染はなく、ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺したコガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)などがヒトを刺すことによって感染します。
 東アジア・南アジアにかけて広く分布する病気です。
 ウイルスを持つ蚊がヒトを刺すことによって感染します。症状が現れずに経過する(不顕性感染)場合がほとんど(過去には、100人から1,000人の感染者の中で1人が発病すると報告されています)ですが、症状が出る場合には、6〜16日間の潜伏期間の後に、数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、引き続き急激に、光への過敏症、意識障害(意識がなくなること)、けいれん等の中枢神経系障害(脳の障害)を生じます。
 大多数の方は、無症状に終わりますが、脳炎を発症した場合20〜40%が死亡に至る病気といわれています。
 *詳しい情報はこちら→国立感染症研究所ホームページ<外部リンク>

日本脳炎ワクチンについて

 現在使用されている乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンは、日本脳炎ウイルスをVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)で増殖させて、得られたウイルスを採取し、ホルマリンで不活化(感染性を失くすこと)して製造されたワクチンです。
 なお、従来使用されていたマウス脳由来の日本脳炎ワクチンは、脳の中で日本脳炎ウイルスを増殖させ、得られたウイルスを高度に精製し、ホルマリン等で不活化して製造されていましたが、現在では使用されていません。

予防方法

  • 蚊に刺されないように注意しましょう
     虫よけスプレーや蚊取り線香などを利用し、肌を露出しない服装を心がけましょう。
     特に蚊の発生が多い水田地帯やブタなど動物を飼育している地域では、防虫対策を忘れないで下さい。
     中国や韓国では、夏から秋に、インド北部やネパールなどでは6月から9月頃の雨期に、蚊の発生が多くなります。
     他の熱帯地域では、年間を通して防虫対策を忘れないで下さい。
  • 日本脳炎ワクチンの追加接種
     定期の予防接種を完了していても、予防接種の有効期間は3〜4年といわれています。この期間を経過した後に、流行地域(特に農村部)に長期間渡航される方は、追加で1回接種し、以後3〜4年ごとに接種することが勧められます。
     虫よけスプレーや蚊取り線香などを利用し、肌を露出しない服装を心がけましょう。
     (現在、1期の標準的な接種年齢の方を除き、定期の予防接種は積極的な勧奨を差し控えていますが、リスクのある地域へ渡航される方は、接種を検討して下さい。)

日本脳炎の分布地域

 日本、韓国、中国、ベトナム、タイ、カンボジア、マレーシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、ネパール、バングラデシュ、インド、スリランカ、パプアニューギニア、台湾、ブルネイ、パキスタン、シンガポール、米領グアム、米領サイパン、オーストラリア(クイーンズランド州北部)、ロシア(極東部)