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スマート農業技術実証の取組みについて
スマート農業技術実証の取組みについて
※農水省「スマート農業実証プロジェクト(事業主体:農研機構)の支援により実施
各実証事業の取組みについて
(1)スマート農業技術を活用した高度輪作体系(3年5作)の構築による超低コスト輸出用米生産の実証
スマート農業機器を導入することで、機械作業効率を究極まで高めた高度輪作体系(3年5作)を実現するとともに、全ての作業工程における無駄を省いた作業の効率化、省力化による超低コスト輸出用米生産に取り組みました。
実施年度:令和元年度から令和2年度
実施地域:岐阜県瑞穂市
実証経営体:農事組合法人 巣南営農
実証品目:水稲、小麦、大豆
(2)棚田地域における安定的な営農継続のための先端機械・機器低コスト共同利用モデルの実証
実証地域である岐阜県下呂市金山町は、棚田を含む中山間の条件不利地のため、低生産性、労働力・後継者不足が深刻化しており、実証経営体が当該地域の水稲作を一手に担っている状況でした。営農を継続していくため、地域全体で支える仕組みづくりや革新的な技術の導入により、生産コストの低減と省力化・効率化に取り組みました。
実施年度:令和2年度から令和3年度
実施地域:岐阜県下呂市
実証経営体:有限会社 すがたらいす 他
実証品目:水稲、飼料作物
(3)中山間地域の夏ほうれんそうにおける産地全体で取り組むシェアリング・新たな通信サービスモデルの実証
高山市の夏ほうれんそう産地は、中山間の狭小な農地にハウスが点在しており、人口減少・高齢化により労働力不足が深刻化しており、次世代の担い手である「若菜会」がスマート農業を利用した栽培管理の省力化や労働力配分の効率化、機械のシェアリングに取り組みました。
実施年度:令和2年度から令和3年度
実施地域:岐阜県高山市
実証経営体:飛騨蔬菜出荷組合ほうれんそう部会 若菜会
実証品目:ほうれんそう
(4)夏だいこん産地における労働力不足解消に向けたスマート農業技術を活用した地域雇用創出モデルの実証
郡上市高鷲町の「ひるがの高原だいこん生産出荷組合」は、西日本最大の夏だいこんの産地ですが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、外国人技能実習生が入国困難となり、深刻な人手不足に陥りました。一方で本地域は冬場のスキー場など季節観光業等が盛んであるため、農業経験のない地域の季節観光業従事者がスマート農業技術を活用することで即戦力で活用できる通年安定雇用モデルを構築するとともに、農業大学校等の学生を対象とした次世代の高度な農業技術を習得した担い手の育成に取り組みました。
実施年度:令和2年度
実施地域:岐阜県郡上市
実証経営体:株式会社 エスタンシア
実証品目:だいこん
(5)新たな農業支援サービス、スマート商流及び新たな生活様式に対応した果樹産地の発展モデル構築の実証
本実証地域は、中山間地域に位置するため、担い手やパート従業員の確保が難しく、生産体制維持や技術継承が困難となっており、菓子業者が必要とする十分な質と量の原材料の供給が課題となっていました。これらを解決し、産地の維持・発展を図るために、スマート農業機器の導入が不可欠でありますが、高額なスマート農業機器の導入は、経営面から容易ではないです。そのため、新たな農業支援サービスとして、シュアリング体制の構築、菓子業者が求める流通体制の整備、高度なクリ選定技術を習得するためのICT学習システムを実証し、スマート農業機器を活用した新たなモデルの構築に取り組みました。
実施年度:令和3年度から令和4年度
実施地域:岐阜県恵那市
実証経営体:株式会社 えな笠置山栗園、農事組合法人 アグリアシスト中野方
実証品目:栗、水稲
(6)ほ場条件不利地域における持続可能な食料生産を実現するためのスマート農機低コスト利用実証
本実証地域は、小区画多筆の条件不利農地で、地域の担い手の急激な高齢化と水田管理を行う者の減少により、地域の中核農家へ農地や作業の集約に向けた取り組みを進めております。一方で、集約を進める中核農家は既存労働力や機械のみでは、きめ細やかな栽培管理が困難な状況となってきており、作業の省力化・効率化のみならず、経営を安定させていくために収量の向上が課題となっています。そのため、スマート農機を活用した省力化体系の構築を進めつつ、費用対効果を高めるための「作業集約」や運用コストを低減させる「シェアリング」を通じた更なる費用対効果の改善を行うことで、ほ場条件不利地域でもスマート農機が活用できる仕組みの構築に取り組みました。
実施年度:令和4年度から令和5年度
実施地域:岐阜県御嵩町
実証経営体:株式会社 アオキ、農事組合法人 ふしみ営農、田中農機 株式会社、農事組合法人 みざの
実証品目:水稲、大豆
(7)スマート農業技術による土地改良後大区画化ほ場における水稲・大豆作での豚ぷんペレット利用を中心とした環境保全型精密農業の確立【実証中】
土地改良後の大区画化ほ場において、水稲・大豆作での豚ぷんペレット利用によるコスト削減と減化学肥料・減農薬栽培を行っております。小区画ほ場を合筆した中山間地域の大区画化では、土壌条件が不均一になりやすく、加えて、化学肥料に比べ窒素発現が一様でない豚ぷんペレットを元肥とすることによって、生育ムラが助長されて栽培管理が一律に行えず作業効率の低下や減収の要因となります。そこで、元肥を豚ぷんペレットにして化学肥料を削減し、生育ムラや病害発生をドローンで解析して最小限の追肥や農薬の使用にとどめ、大区画ほ場でのスマート農業機械の効率的利用により化石燃料の使用を減らすなど、コスト削減と環境保全型精密農業の確立を目指します。
実施年度:令和5年度から令和6年度
実施地域:岐阜県飛騨市
実証経営体:有限会社 エイドスタッフ
実証品目:水稲、大豆