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岐阜市

岐阜市へアドバイザーを派遣しました

 岐阜市のまちづくり協議会は、市内50地域のうち、43の地域(令和2年2月末時点)に設立され、自治会連合会をはじめ各種団体と連携して様々なまちづくり活動を実施していますが、人材の高齢化、担い手不足などの課題を抱えています。そこで、岐阜市では、地域活動にすぐに活かせる実践的な講座を、毎年「地域力UPセミナー」として開催し、地域の中で活躍できる人材を発掘・養成しています。今年度の第3回目のセミナーとして、自治会やまちづくり協議会などの方を対象に、「まちづくり活動の先進事例紹介」を1月30日(木曜日)に、ぎふメディアコスモスにおいて開催しました。

 「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、このセミナーの講師として、加子母むらづくり協議会(以下「協議会」という。)の伊藤満広氏を派遣しました。

 当日は「村づくりは人づくり、人づくりは村づくり」と題し、伊藤氏から協議会の活動について、様々な事例の紹介がありました。

主な内容

  • 加子母地域の概要
    • 加子母地域は、中津川市の最北部に位置し、総面積の94%を山林が占める中山間地域で、人口は2,748人(1/1現在)で、少子高齢化が進んでいる。
    • トマトやサトイモ栽培、飛騨牛飼育のほか、昔からの生業である林業とともに歩んできた地域である。
  • 加子母の人づくりの歴史
    • 明治41年に制定された「加子母村是」に「教育ヲ盛ニシ以テ人物ヲ造」とあるように、昔から何よりも「教育」即ち「ひとづくり」を最重要とし、この精神が現在にも引き継がれている。
  • 加子母むらづくり協議会

​<設立の背景>

  • 平成17年に市町村合併により中津川市に編入された。
  • 平成24年に地域住民が主体となって地域づくりを進めて行くため、加子母むらづくり協議会を設立した。
  • その3年後(平成27年)には、協議会の経済的基盤の安定化を図るため、「NPO法人かしもむら」を立ち上げた。

<組織と運営体制>

  • 協議会は、加子母地域の10の区(区長)とPTA、老人クラブ、スポーツ少年団、消防団、森林組合等様々な地域活動団体が属する10の分科会で構成されている。協議会で決定された方針や活動は、区と分科会が連携し、地域が一体となって活動している。
  • 「NPO法人かしもむら」の定款に定められた事業に該当する場合は、「NPO法人かしもむら」が中心となり事業を行っている。

<主な取り組み>

  1. 子供たちに地域への愛着を育む
    ​「加子母教育の日」
    • 小中学生を対象に、各学年ごとにテーマを決め、地域住民が講師となって加子母のことを語り、教え、繋いでいく、住民参加型の授業参観を、毎年秋に開催している。
  2. 地域へ大学生を呼び込む
    ​「域学連携事業」
    • 大学と地域が連携し、地域の課題を学生が地域に入って解決する「域学連携事業」を行っている。
      そのうちのひとつである「かしも木匠塾」は、建築を学ぶ学生が、加子母地域で合宿をしながら地域の要望に基づく木造建築物を作成するもので、今年は約300人が参加し、木製のデッキ、棚、屋根付きバス停、東屋、倉庫等の作製や、橋の修理を行った。
  3. 若者に任せ、若者が活躍
    ​「かしも明治座」
    • 明治27年に創設された歌舞伎小屋「かしも明治座」の指定管理を市から受託し、管理・運営に取り組んでいる。
      かしも明治座を観光資源として活用していくため、「地域おこし協力隊」が中心となり、観光客の誘致、集客に尽力している。
      「空き家対策」
    • 加子母地域は、外から入ってくる人に対して寛容で、温かく迎える風土があり、Iターン300人、Uターン150人の実績がある一方で高齢化が進み、空き家も増えてきていることから、空き家対策検討委員会を設立し、移住定住の促進に取り組む活動を行っている。
      「女性の参画」
    • 女性懇談会を立ち上げ、講義やグループワークを行ったり、子育て世代のお母さんを中心に、子育てママの情報交換や出会いの場
      「ハッピーターン」を設立し活動している。
  4. 高齢者が安心して暮らせる
    ​「コミュニティバス」
    • 市の委託を受け、有償コミュニティバスを運行。地域住民に利用してもらいやすいよう運行計画を逐次見直し、多くの人に地域の足として利用されている。
      「加子母広報システム」
    • 地域独自の広報システムを構築。行政情報のほか、様々な情報を地域に提供するとともに、高齢者等の買い物支援(弁当や生活用品の発注、自宅への配達)にも対応している。
      「軽トラ朝市」
    • 毎年6月から12月の第3日曜日に、地元農産物の販売及び観光客と地域住民の交流を目的として朝市を開催している。
      出品される農産物は主に高齢者が栽培しており、高齢者の生きがいとなっている。

最後に
私たちは、日本一子育てしやすいむらを目指している。
そのためにはどういったことができるかを考えると、人のため、子供のために何をすればいいのかということになり、それが自然と地
域づくりにつながるという、明治からの「村づくりは人づくり」の教えを守り続けながら、地域づくりに取り組んでいる。

 当日は、自治会やまちづくり協議会関係者、一般市民の方など、29名が参加されました。
 参加された皆さんからは、「今後の活動の参考になった」、「少ない人口で理想的な取り組みを行っている」、「NPO法人をうまく使って積極的に活動されている」、「岐阜市で同様な活動は難しく、これをどのように活動に結び付けていくかが課題である」等の感 想をいただきました。

セミナーの様子(1) セミナーの様子(2)

伊藤講師

セミナーの様子(1)の画像 セミナーの様子(2)の画像 伊藤講師の画像