本文
令和3年度国民参加による気候変動情報収集・分析事業 成果報告
事業趣旨
岐阜気候変動適応センターでは、環境省の「令和3年度国民参加による気候変動情報収集・分析業務」を受託し、「区域内の小中学校との連携による情報収集」「農業・漁業組合との連携による情報収集」「エアコン使用等の熱中症対策状況に関するウェブアンケート」「日傘貸し出し社会実験とアンケート」の4つの取組みを実施することで、県民の皆様の声の中から、県内で生じている気候変動の影響の情報を収集・分析しました。
事業成果について
(1) 区域内の学校(小中学校)との連携による情報収集
本調査は、小中学生への授業を通じて自然災害分野や自然生態系等の分野について過去と比べた気候の変化の実感等について情報収集するものです。
情報の収集にあたっては、環境教育の授業を活用し、気候変動に関する授業を実施します。授業後、気候変動に関するアンケートを配布し、小中学生が家族等と一緒にアンケートへ回答する形式で情報を収集します。その後、2回目の授業にて家族に行ったヒアリング結果を持ち寄り、グループワークを実施し、新たな発見やアイディアなど自由な発想で気候変動影響への理解を深めてもらうこととしました。
最終的にはアンケート等により得られた情報を収集・分析するとともに、授業で活用した授業プログラム等についての試行結果等も見直すことで、今後の環境教育の充実に繋げていく予定です。
(2ー1)農業組合との連携による情報収集
本調査は、岐阜県特産品である「富有柿」について、実際に栽培現場で感じている気候変動影響に関する情報を収集し、今後の富有柿農業施策への一助とするものです。
情報の収集にあたっては、岐阜県農産園芸課及び農業普及員の協力を経て、直接栽培現場へ訪問し、ヒアリング調査を行いました。調査の中では令和2年度岐阜県気候変動適応センター共同研究結果(9月の高温によって、柿の品質低下(着色不良)が増加する可能性がある予測)を示したうえで、令和2年度共同研究と、実際に栽培現場で起きている影響が同様の結果であるのか、すり合わせを行うとともに、その他の気候変動影響の実感について深掘りしました。
(2ー2)漁業組合との連携による情報収集
岐阜県気候変動適応センターにおいて、岐阜県水産研究所と岐阜大学研究者が共同研究している世界農業遺産「清流長良川の鮎」への温暖化影響と適応策についての暫定的な研究成果を、長良川流域の主要な漁業協同組合(長良川漁協,長良川中央漁協,郡上漁協)と小瀬鵜飼の鵜匠(合計約40名)に情報提供・説明した上で、漁業者としての温暖化影響の実感、適応策として有効と考えられる対策、既に実施してきた対策等についてヒアリングを行いました。
(3)エアコン使用等の熱中症対策状況に関するウェブアンケート
県内におけるエアコン使用等の熱中症対策状況等を把握するため、暑熱に関するアンケートを実施し、今後の具体的な熱中症対策の基礎資料となる情報を収集するものです。
具体的には、岐阜県を5圏域に分け、圏域ごとに生産年齢人口と非生産年齢人口の2つの割付を設けwebアンケート調査を実施しました。1割付につき130s回収し、総サンプル数は1,300sです。(130sに満たない場合、他圏域にて補填)
(4)日傘貸し出し社会実験とアンケート
ぎふワールド・ローズガーデン(旧花フェスタ記念公園)への来園者に対して、近年の夏の暑さの実感や、最近、自らが実施している屋外施設での暑さ・熱中症対策などをアンケートし、気候変動影響に関する県民の意識について情報収集するものです。
具体的な収集方法については、当該公園内に3カ所のブースを設け、日傘の貸し出し・アンケート調査を3日間にわたり行いました。来園者の内、1日100人を目安にアンケートを実施し、総サンプル数は300sです。
リンク
他県の事業も含め、事業の詳細は、A-PLAT<外部リンク>からご覧いただけます。