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洞第2古墳群
洞第2古墳群(ほらだい2こふんぐん)
所在地
岐阜市洞(ぎふしほら)
地図<外部リンク>
時代
縄文時代から中世
平成27年度発掘区遠景(西から撮影)
平成28年度発掘区遠景(南東から撮影)
発掘状況
洞第2古墳群は、岐阜市北西部に位置する標高225.3mの御望山(ごもやま)の東側南麓に立地
しています。平成27・28年度に実施した発掘調査では、既知の古墳の周溝のほかに、古墳時代中期の古墳1基、古墳時代後期の古墳8基を新たに確認しました。また、このほかに縄文時代早期、古墳時代前期、古代、中世の遺構も確認しました。
洞北山5号古墳(ほらきたやま5ごうこふん)
洞北山5号古墳は、不整形な方墳で木棺直葬の埋葬施設をもち、古墳時代中期の古墳と推測されます。墳丘の南側と西側には葺石(ふきいし)が葺かれており、墓坑内からは埋葬施設とは別に、埋納遺構も見つかりました。
埋納遺構からは鉄剣・鉄鏃(てつぞく)・刀子(とうす)といった金属製品とともに、県内の古墳からは出土事例の少ない提砥(さげと)が出土しました。
洞北山5号古墳全景(下が南)
提砥と刀子(柄が鹿角装(ろっかくそう))の出土状況
洞北山4号古墳(ほらきたやま4ごうこふん)
洞北山4号古墳は、今回調査した古墳の中で墳丘の規模が最も大きく、南北約13m、東西約11mの円墳で、長さ8mの横穴式石室を埋葬施設としています。石室内からは、土師器や須恵器の土器類のほかに、鉄刀や鉄鏃などの金属製品も出土しました。石室内には小石槨(しょうせきかく)が設けられていたことなどから、追葬が行われたこともわかりました。
洞北山4号古墳全景(南から)
奥壁付近の遺物出土状況
4号古墳出土遺物
古墳以外の主な遺構
古墳以外の主な遺構には、縄文時代早期の焼礫集積土坑・炉跡、古墳時代前期の竪穴建物、古代の配石遺構、中世の火葬施設や大規模な造成に伴う溝や平場などがあります。また、詳細な時期の決定はできませんでしたが、道路状遺構も確認しました。こうしたことから、当該地が縄文時代から中世にかけて断続的に利用されてきたことがわかりました。
古墳時代前期の竪穴建物(南から)
中世の火葬施設(南から)