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瑞浪市社会福祉協議会陶支部
瑞浪市社会福祉協議会陶支部(瑞浪市)へアドバイザーを派遣しました
瑞浪市陶地区では、高齢化率が45.06%と市内で2番目に高く、65歳以上の一人暮らしや65歳以上のみの世帯も多くなっている。地場産業である陶磁器業界の低迷により、若者の流失が止まらず、幼児園の園児数、小・中学校の児童生徒数も大きく減少し、高齢化が進んでいる。地域で生活する高齢者を取り巻く環境は年々困難な状況となり、地域での支え合い・助け合いを進めるため、瑞浪市社会福祉協議会陶支部では市の高齢福祉課職員による「生活支援体制整備事業」の講演会を開催し、その後、12月11日(土曜日)に勉強会を開くことにしました。
「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この勉強会の講師として、各務原市八木山地区社会福祉協議会事務局 清水孝子氏を派遣しました。
当日は、「支え合い、助け合いの地域づくりを考える」と題し、清水孝子さんの講演がありました。
主な講演内容
八木山地区は、八木山のふもとに広がる人口4837人の住宅団地で、高齢化率43.5%の高齢者の町です。高齢者と若者の割合も半々で若い人ばかりに頼って高齢者が生きていくには、とても厳しい状態です。今から45年ほど前にできた団地は、当時、1軒の家族数が3.8人でしたが、今は、2.4人と1人世帯、2人世帯が標準世帯です。家族の問題は家族で解決をといっても、とても老いた者同士で家の問題は解決できません。そこで、「家族の問題は地域全体でささえあって生きていく、みんなでつながってささえあう、活動はできる時にできる事をする」を合言葉に、自分たちの手でささえあう町作りを始めました。
八木山地区は、陶地区とは異なり、山を造成した団地であるため、坂が多いという課題があります。「坂の多いこの町で老後を暮らすのは、買い物や通院に不便だから、元気なうちに平らな所に引っ越します。」という声を聞きました。ここは、終の棲家にはできないところなのか、そうではなく、ここに末永く住めるように、支えあっていこうと2014年「ささえあいの家」をオープンしました。これが活動の拠点です。活動を始めるにあたり、住民の高齢化という課題を抱えながらも先進的に活動をしている岐阜市の芥見東地区より講師を招くなど講演会を開き、勉強を重ねました。
団地ができた頃は、地域活動の主力がサラリーマンの妻など女性陣でしたが、退職をして自由な時間ができた男性陣(営繕の会)が自分たちの特技をいかし、活動拠点である「ささえあいの家」を補修し整備しました。これが、後のささえあい活動につながっていくのです。こうした、家の補修は現在も続いており、労を厭わず働く人のおかげで、「ささえあいの家」は業者に頼まなくても維持ができています。
1.ささえあい活動
八木山地区を終の棲家にするためには、困りごとがでるはずです。その時に対応できる体制を取るため、生活支援ボランティア活動をはじめることにしました。それにあたり、全戸にアンケート用紙を配布し、庭の草取り、簡単な剪定、ゴミ出し、クリーニング出しなど、自分にできることを記入してもらい、これをボランティアとして登録しました。
庭の草取り、剪定などは、業者が一人で来て作業をしますが、ここでは、一緒にやる仲間同士の心をつなぐため、大勢で作業をしています。活動を始めて気づいたことは、支える側の自分たちにも得るものがあるということでした。これこそが「ささえあい」だということで名称を「ささえあい活動」としました。
「ささえあいの家」の整備がほぼ終わると「営繕の会」は、「地域のお助け隊」になるという当初掲げていた目標を実現しはじめました。地域の人の要望に無料で応えていますが、「作業をするだけでなく話ができました。仕事を通じて心を通わせられ楽しくできました。難しさも教えていただきました。友達が増えました。」など、無料で働いているのに楽しいという声が聞こえてきました。
2.移送サービス
八木山地区の住宅から商店へ行くには車で1~2分ですが、足が弱くなり重い荷物を持って歩くのは辛く、バスは走っていてもバス停まで歩くのもたいへんなことから、個別に移送を望む声があり、サービスを始めました。移送をとても喜んでいただいています。そしてほかに大きな意味があることも感じています。移動中は運転者は聞き手となり、車に乗って降りるまで話は続きます。地域の者だからこそたくさんの話もできます。話をすることはとても大事なことなので、私たちは聞き役になることを心がけ、活動しています。現在、個別の移送の他に、定時運行の計画があり、地域をまわりスーパーや医療機関に人を運ぶ練習をしています。
3.ささえ畑
荒れ地に竹で柵をして畑を作りました。できた作物は、配食サービスの弁当の食材になります。仲間同士がとても仲良くなり信頼し合って活動をしています。地域外からの参加者にも喜ばれています。この畑はたくさんの作物を生み、活動仲間の心をつなぎ、外の地域までも心をつなぐことができました。
4.フレイル予防
フレイル予備軍が人口の大半を占めるこの地で必要なこととして、フレイルチェック(虚弱の状態をチェック)を始めました。さらに健康長寿のためにノルディックウォーキングの講座を開いています。
私たちは、さまざまな活動を無料でやっておりましたが、無料であると頼み辛いという声が多くなり議論を重ね、有料有償にしました。私たちはお金目的ではないので、心のこもったありがとうという言葉の心地よさと大切さを感じながら楽しくやらせてもらっています。
5年後10年後活動ができるのだろうかと考え、私たちにできないことを企業にも力を貸してもらい、企業にも私たちにもいいことができたらということで、10の企業と懇談会を始めたところです。私たちの活動も新たな段階に入ったと思います。医療や公的サービスでは解決できない、人々の課題解決のために、地域の力や人のつながりを活かしていく活動を今後も広げていきたいと思いますと結ばれました。
当日は、社会福祉協議会支部役員、福祉委員、福祉関係団体員、瑞浪市関係者など58人が参加されました。
瑞浪市社会福祉協議会陶支部では、各務原市八木山地区社会福祉協議会の「ささえあいの家」成り立ちから現在の活動状況を参考に今後の活動に結びつけたいとのことです。
講師の清水孝子事務局長 | 講演会の様子(1) |
講演会の様子(2) |
講演終了後の質疑応答の様子 |
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