選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
翅を広げた大きさ25mm前後の蝶である。翅の色は黄褐色で縁は黒褐色である。近似種にヘリグロチャバネセセリがある。 |
生息環境 |
草原に樹林が混在する環境を好み、疎林、高原の別荘地の庭や道路沿いに生息する。草原の中央部より林縁部に集中する傾向がある。 |
生態 |
成虫は7〜8月に出現し、オカトラノオ・ヒメジョオン・アザミ類などの花で吸蜜する。湿地で吸水することもある。幼虫の食草はイネ科のカモジグサ類、クサヨシなどである。飛騨牛肥育の牧草地は定期的に草刈りが行われており、良好な生息環境を保っている。ここではチモシー、オーチャードグラスといった牧草が食草になっている。 |
分布状況 |
北海道、本州、九州に分布する。種としては朝鮮半島、中国大陸、ロシア・アムール地方などに分布する。県内では山地帯に点在して確認記録がある。飛騨地方に多くの産地がある。 |
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減少要因 |
生息環境はいわゆる"里山"と呼ばれる地域にあり、燃料材の供給源、茅場などとして定期的な草刈りにより維持されてきた二次草地である。しかし、こうした場所は生活様式の変化に伴い利用価値がなくなって改変されたり、放置されて樹林化したりして急激に減少している。 |
保全対策 |
本種の生息環境となる二次草地は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
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参考文献 |
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