本文
事業承継税制(特例措置)の概要について
令和6年5月28日更新
中小企業の事業承継をより一層後押しするため、平成30年度税制改正により、事業承継税制が10年間(平成30年1月1日から令和9年12月31日)に限り、大きく拡充されました。また、平成31年度税制改正において、個人事業者の事業承継を促進するため、10年間限定(平成31年1月1日から令和10年12月31日)の個人版事業承継税制が創設されました。
これらの改正後の制度に係る認定を受けるためには、まず「特例承継計画」または「個人事業承継計画」を提出し、都道府県の確認を受ける必要があります。
1.制度について
事業承継税制とは、後継者が先代経営者から非上場株式等(法人の場合)、事業用資産(個人の場合)を贈与、相続により取得した場合、株式等に係る贈与税・相続税が一定の要件を満たすと納税猶予される制度です。経営者が後継者に事業を引き継ぐ際、株式等の承継による多額の贈与税・相続税が円滑な承継を妨げることがありましたが、この制度の活用により、負担の軽減を図ることができます。この制度を利用するためには、都道府県知事の認定を受ける必要があります。
なお、岐阜県は経営承継円滑化法に基づき、支援すべき事業者の認定、年次報告の確認を行う権限のみ有しています。そのため、認定後の贈与税、相続税の納税猶予・免除を約束するものではありません。
「事業承継の際の相続税・贈与税の納税猶予及び免除制度」(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
「事業承継税制特集」(国税庁ホームページ)<外部リンク>
2.法人版事業承継税制の特例措置について
平成30年度税制改正では、これまでの措置に加え、10年間の措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)等がされた特例措置が創設されました。特例措置の適用を受けるためには、以下の2点を満たしていることが必要です。
(1)平成30年4月1日から令和6年3月31日までに、認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けた旨を記載した特例承継計画」を岐阜県知事あて提出し、確認を受けていること。
(2)平成30年1月1日から令和9年12月31日までに、贈与・相続(遺贈を含む)により自社の株式等を取得すること。
法人版事業承継税制(特例措置)の前提となる認定に関する資料【書式・添付資料等】<外部リンク>(中小企業庁ホームページ)
経営承継円滑化法申請マニュアル 令和6年4月改訂版【相続税、贈与税の納税猶予の特例】(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
3.個人版事業承継税制について
平成31年度税制改正において、個人事業者についても、円滑な世代交代を通じた事業の持続的な発展の確保が喫緊の課題となっていることを踏まえ、個人事業者の事業承継を促進するため、10年間限定で、多様な事業用資産の承継に係る相続税・贈与税を100%納税猶予する「個人版事業承継税制」が創設されました。個人事業承継税制の概要については、以下をご覧ください。
個人版事業承継税制の前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
4.金融支援について(信用保証の拡大、低利融資)
事業承継の際に代表者個人が必要とする資金の融資を受けることができます。会社及び個人事業主には、信用保証協会の通常の保証枠とは別枠が用意されます。
金融支援の概要「事業承継における融資・保証制度」(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
申請マニュアル・申請様式(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
5.会社法特例について(所在不明株主に関する特例)
経営承継円滑化法における認定を受けることで、株主名簿に記載はあるものの連絡が取れなくなり所在が不明になっている株主(「所不明株主」)の株式について、その取得に要する手続きの時間を短縮(5年から1年に短縮)できる制度です。
申請マニュアル「会社法特例」(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
6.遺留分に関する民法の特例
後継者が遺留分権利者全員との合意及び所要の手続きを経ることを前提に、遺留分に関する民法の特例を受けることができます。
※本特例の申請窓口は中小企業庁です。
【問い合わせ先】 経済産業省 中小企業庁 事業環境部 財務課
住所:東京都千代田区霞が関1-3-1 電話番号:03-3501-5803(直通)
遺留分に関する民法特例のポイント(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
7.各種申請手続関係書類について
法人版事業承継税制のこれまでの措置を「一般措置」、平成30年度の税制改正により創設された制度を「特例措置」と言います。
「特例措置関係」
法人版事業承継税制(特例措置)の前提となる認定に関する申請手続関係書類(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
「一般措置関係」
事業承継税制(一般措置)の前提となる認定(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
「個人版事業承継関係」
個人版事業承継税制の前提となる認定(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
☆各種手続きの改正について
(1)各種申請書、年次報告書等において、事業実態要件を満たすことにより資産保有型会社及び資産運用型会社に該当しないとみなされる場合には、特定資産等に係る明細表の欄は記載不要となりました。(平成29年度税制改正)
□ 「事業実態要件と確認資料」(以下のすべての要件を満たしていること)
1. 3年以上継続して、商品販売その他の業務を行っていること。(売買契約書・請負契約書、請求書等)
2.常時使用従業員(親族外)が5人以上いること。(従業員数証明書)
3.常時使用従業員が勤務している事業所、店舗、工場その他を所有又は賃借していること。
(固定資産税課税通知書、不動産謄本、賃貸借契約書等)
(2)特例承継計画提出時の「従業員数証明書」の添付が不要となりました。(平成31年度税制改正)
特例承継計画の添付書類(中小企業庁ホームページ)<外部リンク>
(3)従業員数証明書にかかる添付書類として、「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」に加えて「被保険者縦覧 照会回答票」が対象となりました。(平成31年度税制改正)
※詳細は、上記の各種申請手続関係書類(中小企業庁ホームページ)の「添付書類」をご覧ください。
(4)各種申請書・報告書の押印がすべて不要となりました。(令和2年12月28日施行)
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」施行規則において、押印を求められている各種申請書・年次報告書等の手続きについて、すべて押印不要となりました。なお、基本的には全ての様式及び添付書類については押印を求めないですが、相続認定時の添付書類である遺産分割協議書又は遺言書については引き続き押印が必要となりますのでご留意ください。
(5) 特例承継計画の提出期限再延長 (令和6年度税制改正)
特例承継計画の提出期限が令和6年3月31日から令和8年3月31日までと2年延長になりました。
(なお、適用を受ける贈与・相続の期限は変更ありません。)
(6)後継者要件の改正(令和4年度税制改正)
法人版の贈与認定における後継者の年齢要件が20歳から18歳以上に改正されました。(令和4年4月1日以降の贈与から適用)
(7)認定の有効期間・報告期間等が改正(令和4年9月1日改正)
<改正前>後継者ごとに、その会社の株式等について最初に円滑化法の認定を受けた贈与税または相続税の申告期限の翌日を基準日として考える。
<改正後>後継者ごとに、その会社の株式等について最初にを事業承継税制の適用を受けた贈与税または相続税の申告期限の翌日を基準日として考える。
8.各種申請手続きにおける注意点
- 申請の際には、返信先を記入した返信用のレターパック(370円)を添付してください。
- 県から交付する確認書や認定書については、申請者(会社)の住所への郵送を原則とします。(会計事務所宛ても可)
- 認定等の審査には、約2か月かかりますので、税務署への納税申告に間に合うよう、早めに申請してください。
提出先
各種申請書(特例承継計画、認定申請、年次報告)は、以下の申請窓口及び郵送で受け付けています。
□「窓口で申請する場合」
岐阜県商工労働部産業イノベーション推進課事業承継税制担当
(岐阜県庁10階、電話:058-272-8389)あてに事前に電話をいただき、日程を調整のうえ
お越しください。
□「郵送で申請する場合」
申請書の種類、申請担当者氏名及び連絡先を記載の上、下記あて郵送してください。
〒500-8570
岐阜県岐阜市薮田南2-1-1
岐阜県商工労働部産業イノベーション推進課事業承継税制担当あて