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船来山古墳群出土品
船来山古墳群出土品[ふなきやまこふんぐんしゅつどひん]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
員数 | 687点 |
所在地 | 本巣市上保 |
所有者 | 本巣市 |
指定年月日 | 平成29年10月13日 |
[写真提供:本巣市教育委員会]
船来山古墳群は、本巣市と岐阜市の市境に位置する独立丘陵上に営まれた古墳群である。その造営時期は3世紀中頃から7世紀までの長期間に及び、古墳時代の全時期にわたって継続的に古墳が築造されていた。このうち、本巣市側では平成5年度から8年度にかけて、糸貫町教育委員会と本巣町教育委員会(現在の本巣市教育委員会)によって162基の古墳が調査された。その折に多数の遺物が出土し、なかには1基の古墳から200点以上の遺物が出土している。船来山古墳群出土品には、土師器[はじき]・須恵器[すえき]などの土器のほか、鏡・銅鏃[どうぞく]などの青銅製品、武器・武具・馬具・農工具などの鉄製品、勾玉[まがたま]・管玉[くだたま]・ガラス玉などの装身具がある。また、全国で17例目の出土となる方形板革綴短甲[ほうけいばんかわとじたんこう]や、三足壺[さんそくこ]・角付[つのつき]まりといった特殊須恵器、中国大陸製の可能性のある雁木玉[がんぎだま]、岐阜県内で最多の出土となる23個のトンボ玉などの特殊品も多い。
これらは、長期間に造営された本古墳群の性格や特質を示しており、大和朝廷との関係や渡来人との交流などを背景として、綿々と活動を続けてきた首長層の姿を出土品から読み取ることができる。さらには、古墳時代における副葬品や葬送儀礼の変遷を顕著に示す好例であることから、岐阜県のみならず、全国的視野においても、古墳時代研究に大いに資するものである。