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バリアフリーの基礎知識
街にみられるバリアフリー
1障がい者用駐車場について
なぜ広いのか
車いすの方や、杖を使用して歩行する方が駐車場を利用する場合、立ち上がることが困難なため車いすを自動車に横付けして乗降したり、車いすや杖の積み下ろしなどのために、ドアを大きく開く必要があります。また、車から移動したりする場合も、車いすや杖を使用して通過できる幅が必要になります。そのために障がい者用駐車場は、駐車エリアの周囲に広くスペースが確保してあります。
駐車場の場所
車いすや杖を使用していたり、歩行が困難な場合、長い距離の移動が大変なだけでなく、段差や傾斜や障害物がある場合など、様々な要因が移動を妨げることとなります。
そのような理由から、障がい者駐車場は、多くの場合施設から近い場所に設置されています。
屋根がついている
車いすを操作したり、杖をついていると、手がふさがり傘を持つことが困難です。
また、濡れた地面や雪の上では、車いすや杖を使用していると、滑ったり雪に杖やタイヤが埋まって移動することができません。
障がい者駐車場や駐車場から施設への通路に屋根がついているのは、そのような事情があります。
参考
車いすなどを使用するときの必要寸法
(公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン:国土交通省)
•車いすの通過に必要な幅 :80cm
•車いすが360度回転できる最低寸法 :150cm
•松葉杖使用者が円滑に通行できる幅 :120cm
2点字ブロックについて
視覚障がい者誘導用ブロック(点字ブロック)
点字ブロックは目の見えない人や視力の弱い人が、より安全に歩行できるように考案されました。
点字ブロックは、視力の弱い人でも視認が容易なように、黄色などの分かりやすい色であることが多くなっています。
点字ブロックの上に、自転車が停まっていたり、物が置かれていると、行く先は遮断されてしまいますので、自転車・看板や物を置かないでください。特に通路幅の狭い場所や、バス停等の利用者の滞留がある場所については、通行の妨げとならないよう注意ください。
ブロックには『点状ブロック』と『線状ブロック』の2種類があります
線状ブロック
歩く方向を示すもの。駅構内など誘導を目的とした所に設置される。
点状ブロック
このラインを超えると危険であるなどの注意を示すもの。階段の上り口・下り口、線状ブロックの分岐・屈曲・停止位置などに設置される。
3バリアフリー対応型信号機について
視覚障がい者、車いす利用者、高齢者など多くの人が、安全に交差点を通行できるよう、青信号時にメロディーを鳴らす音響装置のついた信号機や、青信号の時間を延長して横断時間を長くするなどの「バリアフリー対応型信号機」の整備がすすめられています。
「バリアフリー対応型信号機」には、高齢者等感応信号機、歩行者感応信号機、視覚障がい者用付加装置、音響式歩行者誘導付加装置、歩行者支援装置などがあります。
「視覚障がい者用付加装置」は、音声によって信号機が青であることを視覚障がい者に知らせるバリアフリー対応型信号機です。
誘導音は、「カッコー」(東西または主道路横断用[幅の広い道路])、「ピヨ」(南北または従道路横断用[幅の狭い道路])の擬音ほか、地方によってメロディーが使われているところもあります。
4オストメイト対応トイレについて
がんや事故などが原因で消化管や尿管の機能が損なわれたため、腹部に人工肛門や人口膀胱の「排泄口(ストーマ)」を、手術によって造設した人を「オストメイト(ostomate)」といいます。
オストメイトの方は、便意や尿意を感じたりすることができないため、便や尿を溜めておくための袋(パウチ)を腹部に装着しています。
パウチに溜まった排泄物を処理したり、パウチの交換・洗浄、腹部の洗浄などが必要です。そのため最近では、排泄物を処理するための設備や、洗浄するためのシャワー等の設備を備えたトイレが設置されるようになってきました。
外見上は障がいがあることが判別しにくいオストメイトの方が、障がい者トイレや多機能トイレへ入りやすくするため、オストメイト対応トイレについては、公共交通機関を中心に右上の図のようなマークが表示されています。