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知事記者会見(平成29年8月24日)
平成29年8月24日(木曜日)15時00分
司会 |
それでは、知事定例記者会見を始めます。 ありがとうございました。それでは、写真撮影に移らせていただきます。 <撮影> ありがとうございました。ご着席ください。 |
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知事 | それでは、私の方からまず経緯等について説明させていただきます。改めて、本協定を締結いただきました、岐阜県石油商業組合の澤田理事長をはじめ、顧問の猫田県議、平岩県議、他多くの関係者の皆様方に感謝申し上げる次第でございます。 この協定につきましては、東日本大震災をはじめとして、近年大規模災害が頻発しておるわけでございますが、改めて検証してみますと、災害時における石油類燃料の供給の重要性がこれまで以上に認識されてきているということでございます。 これまでも、県石油商業組合さんのほうでは、災害対応型給油所の整備ということで色々と努力をしていただいているわけでございますが、今後、県とも連携をして災害時の燃料供給体制を更に強化していくということで、もともと平成14年9月にこの手の協定はございましたけれども、この際、改定を行うということで、今日に至ったわけでございます。 改定のポイントでございますが、まず第1に、災害時の緊急車両等への燃料優先供給を円滑・迅速に行えるよう、組合において、自家発電設備等を備えた災害対応型給油所の整備・維持を更に推進するということでございます。 2番目が、平時から県と石油商業組合が相互に協力して行うということでありますが、例えば、災害発生時に燃料の供給拠点を担う、あるいは供給対象となることが予定される施設といったものについて、互いに平時から情報を共有して、定期的な防災訓練をやっていこうというようなことが挙げられるわけでございます。あるいは、県と石油商業組合が連携をして、県民向けの、いざというときの燃料供給についての体制について、啓発活動を行っていこうということでございます。 具体的には、この9月3日に「岐阜県総合防災訓練」を予定しておりますけれども、その一環として、組合に対して燃料供給を要請するに至るまでの一連のシミュレーションを行うことにしております。 また、10月には「岐阜県緊急対策チーム図上訓練」を行うことにしておりますが、そこでも、実際の車両を使った燃料供給の実動訓練を実施しようということで、予定いたしております。 引き続き、関係者の皆様のご協力をいただきながら、安全・安心な「清流の国ぎふ」づくりに取り組んでまいりたいということでございます。よろしくお願いします。 |
司会 | ありがとうございました。 続きまして、澤田理事長さんお願いいたします。 |
澤田理事長 |
岐阜県石油商業組合の澤田でございます。 本日は「災害協定」を締結いただきまして、古田知事をはじめ、当組合の顧問をしていただいております猫田県議会議員、平岩県議会議員、他関係各位に心から感謝を申し上げます。 また、県民生活のインフラを守るという、当組合としての使命、責務を感じているところです。 石油販売業は、少子高齢化ですとか、自動車の燃費向上による需要減、並びに慢性的な価格競争等で、ガソリンスタンドの数は平成6年のピークには、6万ヶ所を超えていたわけですけれども、現在3万1千ヶ所ということで、半減しております。 そのような環境下ではありますが、災害発生時の停電に備えて、県内の57ヶ所に自家発電装置を設置しております。今後4年間で、災害対応型給油所として、更に160ヶ所に自家発電設備を設置していく予定にしております。また、県および関係機関には、平時より、組合を通じ安定した燃料供給が行われますよう配慮いただきまして、連携を更に強化し、災害時の円滑な燃料供給ができる体制を築いてまいりたいと考えております。 さて、当組合では、9月1日から、全石連と連携いたしまして、「満タン&灯油プラス1缶運動」を実施・展開してまいります。 東日本大震災において被災した東部地域はもとより、関東全域で給油所店頭が大変混雑をいたしまして、燃料供給に支障が生じたということであります。全国のガソリンスタンドのタンクの容量は100万キロ程度でありまして、自動車の燃料タンクの容量は、合算すれば250万キロを超えると推定されております。このことから、車の燃料タンクは日頃から満タンにしていただくことを呼びかけて災害時にも混乱しないよう日頃の心構えの大切さを訴えてまいりたいということでございます。 県下591ヶ所の組合加入の全給油所及び県内施設に、後ろの「のぼり」等を掲出いたしまして本運動の実施・啓発を進めてまいります。今後も、関係各位のご協力をいただきながら、県民生活の安全・安心の確保に取り組んでまいります。マスメディア各位の皆様には、本運動の取組みを県民の皆様にお伝えいただきたくお願い申し上げます。 |
司会 | ありがとうございました。今回の締結に関しましてご質問をお受けしたいと思います。 |
記者 | 災害対応型給油所の確認ですが、今後、増やすのは、これまで無かった3番の住民拠点サービス給油所を新たに設置するということでよろしいでしょうか。1,2はこれまでどおりということでしょうか。 |
澤田理事長 |
同じ機能を有しているものですけれども、呼び方がそういう形(3)のところで増やしていくということでございます。 |
記者 | 災害時の要請の基準としては、県から組合さんの方へ連絡が行って、そこから組合さんが各給油所に連絡をして供給するという流れでよろしいですか。 |
澤田理事長 |
そうです。災害に応じて、初期のところでは、やはり混乱が避けられないと思いますので、そこで組合員のところの被災状況等、在庫の状況等、情報を確認したうえで、県と連携をとりながらスムーズな燃料供給をしていくということでございます。 |
知事 | 今の、ご質問の関係でいくと、県の方も積極的に、必要に応じて要請を出していくわけでございますけれども、例えば、予め順番を決めているわけではありませんけれども、災害拠点病院とか、市役所とか、その他諸々の防災拠点、あるいは、防災拠点を行き来する車両とか、緊急車両とか、パトカーとか消防車両とか、そういったものに対する優先的供給をお願いするといった、そういうイメージで考えていただけるといいかと思います。 |
司会 | 以上をもちまして、協定締結式のほうは、終了させていただきたいと思います。澤田理事長、猫田顧問、平岩顧問はここで退席されます。ありがとうございました。 |
知事 |
私の方からは、2点ご報告したいと思います。 次に、欧州における岐阜県の地域資源や世界遺産を活用したPRの実施についてということでございまして、8月30日来週水曜日から9月8日再来週の金曜日まで10日間、ベルギー、フランス、リトアニアの3か国を訪問することになりました。 |
記者 | 県内で大きな事案がいくつか進行しています。1つは瑞浪市の産業廃棄物の件、1つは高山市の介護老人保健施設での件です。この2件に関する知事の所感を伺えればと思います。 |
知事 | 今ご指摘のある2点について、まさに全国区で報道もされておりますし、大きな関心を呼んでいるところでございます。私どもも、重要な、いわば危機管理の案件ということで、精力的に取り組ませていただいているところでございます。 瑞浪の案件につきましては、局所集中豪雨が1つの引き金になっているわけですが、いつ何時、こういう局所集中豪雨がどこに来るかわからないと、こういう時代の中にあって、それが引き金となって、産業廃棄物の存在が明らかになったということでございます。こういう危機管理案件は、常に、まず事実関係、真相の解明ということと、当面やるべき措置は何かと、あるいはそのテーマに関連するルールなり、規制なり、そういったことについてきちっと守られていたのかどうかという問題でありますとか、ある程度、見定まってきたら再発防止対策にまで手を伸ばしていくと。あるいは、ここで起こったことは、よその地域で、類似の地域で、類似の事例はないのだろうかということにも、精査をして万全を期していくという流れになろうかと思います。瑞浪の案件につきましては、当事者も違法性について認めておられますので、今日も県警が朝7時から捜査に入っておりますけれども、これから真相の解明が進んでいきますが、概ねその辺りの責任の所在なりは、見えてきているわけです。道路の土砂撤去は終わりましたし、瑞浪市が下流の所の処理をしておりますし、私どもは崩れた所のブルーシートを始めとした応急措置を急ぐということで、概ね目途がたってきたということでございます。まず、その応急措置についてきっちりやるということと、もちろん県警とも連携をとりながらさらに事実関係の解明をしていくということと、それからまだ、上の方に廃棄物があるわけですから、完全撤去と言いますか、これをやっていただく必要がありますし、先ほど申し上げましたとおり、類似の事例が、この同じ企業の他の工場なり、なんなりでないかどうか。あるいは、類似の業界で似たようなことがないだろうかとか、そういったことについても、今手を伸ばし始めているところです。一通り、検証が終われば再発防止策、それから責任に則った行政処分になろうかと思います。そういったところに来ていると思いますが、おそらく違法な処分がされたということでありますので、これ自体遺憾なことでありますし、改めて産業廃棄物の処分の問題について、もう1回引き締めていく必要があるのではないかと思っております。 もう一つの、高山の案件ですけれど、高齢者福祉とか色んなことが言われている中で、老健という施設の信頼関係を大きく損ないかねないような出来事でございまして、そういう意味でも全国で高い関心を持っておられるのではないかと思っておりまして、これも非常に残念なことであると思っております。こちらの方は、まだまだ解明しなければならない点が多々ございまして、5つのケースそれぞれについて、何がどうだったのかと。認識が分かれている部分もありますし、まだまだ丁寧に証言を求めなければならない点もあるわけであります。県警も特別捜査本部を設けてこれから精力的にやっていかれますので、私どもの立ち入り調査と県警との間で連携をとりながら、できるだけ速やかに解明を進めていきたいということでございます。 やはり、これまでずっとやってきた中で感じておりますのは、そもそもこれが、病気であったのか、事故であったのか、事件であったのかということについて、そこをまずきちんと見極めなければならないわけでありまして、そこの辺りが先ほどの産廃の投棄とは違って、5つの案件について1つ1つ、きちっと見定めなければならないということと、こういうような事態が起こったときに、どうあるべきかということについては、条例があり要綱がありマニュアルがありルールがあるはずですから、どうもそれが十分徹底されていなかったのではないかと、報告のあり方、報告書のあり方、あるいは事故分析委員会、あるいはリスクマネジメント委員会、色んな手順や仕組みはあるはずなのですが、どうも迅速に徹底した対応が行われていたかどうか、必ずしも不透明なところがまだ残っております。そういった点を解明しながら、今のルールのままでいいのか、もっと強化しなければならないのか、見極めていきたいと思っております。それから、この老健で起こったことが、他の老健では大丈夫なんだろうかとか、いうことも改めて全県的に緊張感を持ってチェックする必要があると思っております。これは、まだやるべきことが多々ございますが、非常に大きな信頼関係の問題に関わることでありますので、できるだけ速やかに進めていきたいと思っております。 |
記者 | 中央道に絡むことですが、瑞浪市のほうでは撤去にかかった経費については業者側に請求するといわれておりますが、県としては現時点でどのようにお考えでしょうか。 |
知事 | この行為がどういう行為であって、法令上どう位置づけられるかということから、責任論もでてくるわけであり、それを見極めたうえで、それに則してやっていくということで、責任は、工場側に違法行為についての責任があるということが断定できれば当然その責任ということで追及されていくのではないかと思います。それは、県にとっても市にとっても同様であると思います。 |
記者 | 瑞浪の件ですけれども、この件が、県の大きな産業の一つである「窯業」において、東濃においてかなり基幹的な産業ですが、このような事態が起こったことについて、どのようにお考えですか。 |
知事 | 先ほど申し上げましたように、同じ業種・業界で同じようなことがどこまで行われているのか、行われていないのかということをチェックしようということを申し上げましたけれども、まさにそういう問題意識の表れでありまして、私どもとしては、これをただ1個の事件と考えるのではなしに、徹底的にそういったことまで含めて調べたうえで、必要な処分なり再発防止策なりですね、あるいはルールの強化なりをやっていきたいという思いでございます。 |
記者 | 話は変わりますけれども、ワーテルローとの協定についてですけれども、具体的にはどういった内容を盛り込み、知事としてはどういう意気込みでこの協定式に臨むお考えでしょうか。 |
知事 | 一昨年になりますかね、世界古戦場サミットというものを提案させていただいて、ワーテルローの代表の方、ゲティスバーグの代表の方にもおいでいただいて、世界古戦場サミット共同宣言というものを出したんですね。その宣言のポイントは3つありまして、言葉の表現は別として、趣旨として、一つは古戦場を大切に保存しようと、古戦場の保存を大切にやっていこうと。それから2番目がですね、歴史に正面から向き合おうと、人々の歴史意識を高める一つのよすがになればという思いであります。3番目のステートメントは、戦争と平和を考えようということであります。 三大古戦場がそういう3つの問題意識を共有して世界へ一緒になって発信していくということをある意味誓い合ったわけでありまして、そういう流れの中で、昨年のゲティスバーグでありますと岐阜県から甲冑や刀を持っていきましたけれども、ゲティスバーグでそういった関ケ原の展示をやり、アメリカの方々に古戦場としてのそういう問題意識、つながりを知っていただくということをやらせていただいたのですけれども、ワーテルローとも同じように、そういう文物の交流、あるいは人の交流といったことをこの協定をきっかけにやっていきたいと思っております。さっきの3つのポイントで、あらためて三者で集まって何か共通のアクションをとるかどうかについては、またこれからいろいろやっていくなかでアイデアも出てくるのではないかと思います。 |
記者 | 今月に、文部科学省が東京23区の私立大学の定員増を認めない方針という話を出しましたけれども、これに関して岐阜県知事としての受止めと、岐阜県にどういう影響があるかといったことをお伺いできますか。 |
知事 | この議論は、昨年の知事会、それから昨年の総理官邸での総理と知事との意見交換会、それから今年に入ってからの骨太方針の閣議決定、それから来年度予算の重点事項の政府の発表、そして先般岩手県で行われました全国知事会と、こう一貫した流れの中でこの問題は議論してきているところでありまして、東京一極集中といろいろ言われておりますけれども、第二次大戦後ですね、いまだに一貫して右肩上がりで人口が増え続けている。そして人口のシェアが増え続けているというのは、世界広しといえどもおそらく東京だけではないかと、日本の首都だけではないかというようなことがひとつ。それから東京の人口が増えている中身を見てみますと、増えているほとんどが18歳から29歳までの若者ということで、若い人がどんどん東京へ行って、そして東京の出生率は全国で最低ということですから、人口減少、少子化の中で問題をますます悪化させているということでございます。 その一つのきっかけが、工場等制限法という法律が昭和30年代に制定されて、工場等の「等」で大学を読んでいるわけですね、工場・大学といった施設を首都圏から外に持っていこうということをいろいろやってきた中で、平成14年にこの法律がなくなりまして、首都圏から一旦外へ出た大学が急遽また都心に戻ってきたということで、このところまた、大学の都心回帰が起こっていると。そういう状況であるにも関わらず、毎年の新規の大学の定員増の半分は東京23区の大学に割り振られているということですから、一極集中がどんどん悪化する方向へ、悪化する方向へと政策的にも実態的にも進んでいるということで、これはなんとかしなければいけないのではないかと。もちろん地方の大学の受け皿としての魅力を高めなければ意味がないわけでありまして、一方でそういった努力をしながら、せめて定員増の割振りにあたって23区については抑制するという方向でやったらどうだろうかと。 こういうことで議論してきたわけでありまして、その一環として、今回文科省が告示の改正案を出してきたということでございます。ただ、内容を見てみますと、すでにある程度といいますか、意思決定なり対応が進んでいる部分については例外扱いするようなことになっているものですから、その結果、今年の6月の配分も4割が東京23区にいっているわけですね。というようなことで、私どもとしては、どこまでこの告示の改正が実効あるものとして進めていかれるか大いに関心を持ちながらフォローもし、また、意見も言っていきたいと思っております。 これらの点についてはですね、先般、知事会が終わった後、各関係大臣の文部科学大臣、総務大臣にお邪魔させていただきましたけれども、この点については強く申し入れさせていただきましたし、そこは十分理解をしているんだという返事はいただいておりまして、要は、実効ある仕組みになっていくかどうかというところを私どもとしては注視しているということであります。 |
記者 | 高山の件で先ほどの発言のご意思を確認したいことがあります。マニュアルやルールが徹底されていないのではないかと知事はおっしゃっていましたが、これはどういうようなところででしょうか。5件のうちの一部が報告されていなかったりとか、そのあたりのことを指してのご発言でしょうか。 |
知事 | 報告漏れがありますし、それから、事故分析委員会ですか、これも定例会までは特に開かれていないというようなこととか、それから昨日になってリスクマネジメント委員会を開いたということでありますけれども、こういうものは、もう事態が起こったらすぐさまそういったシステムを動かして、そして、情報を、危機感を共有して組織としてあたっていくということが大事ではないかと思っておりますので、そういった意味で私どもとしては気になる点がいくつかあると。ただ、いずれにしても事実関係をきちっと明らかにしたうえでないと、例えば、結局これが病気でしたと、病気であったとすれば別に報告義務はないわけでありまして、ですから根っこのところに、病気なのか、事故なのか、事件なのかというあたりの真相解明と相まってではありますが、今、当事者の施設長さんも、事故性と事件性と両方の可能性があるとか、事件性の可能性が高まってきたとか、必ずしも根拠はよく分からないですけれどもそういうようなコメントを言っておられますけれども、そういうことだとすれば、相当速やかに動くべきところがあったのではないかと、今はそういう感想を持っているということであり、断定をするつもりはありません。これはもう、解明してきたところで最終的にきちっとそこは整理をして、ルール変更なり処分なりを考えたいと思っております。 |