本文
毛染めによる皮膚障害について
毛染めによる皮膚障害の重篤化を防ぐために
- 理容師及び美容師の方は、<参考>に示した酸化染毛剤やアレルギーの特性、対応策等について確実に知識として身に付けてください。
- 理容師及び美容師の方は、毛染めの施術に際して、次のことを行ってください。
- コミュニケーションを通じて、酸化染毛剤やアレルギーの特性、対応策等について顧客への情報提供を行う。
- 顧客が過去に毛染めで異常を感じた経験の有無や、施術当日の顧客の肌の健康状態等、酸化染毛剤の使用に適することを確認する。
- 酸化染毛剤を用いた施術が適さない顧客に対しては、リスクを丁寧に説明するとともに、酸化染毛剤以外のヘアカラーリング剤(例えば染毛料等)を用いた施術等の代替案を提案すること等により、酸化染毛剤を使用しない。
参考
消費者安全調査委員会_平成27年10月23日公表資料
「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書毛染めによる皮膚障害」より抜粋
(酸化染毛剤やアレルギーの特性)
- ヘアカラーリング剤の中では酸化染毛剤が最も広く使用されているが、主成分として酸化染料を含むため、染毛料等の他のカラーリング剤と比べてアレルギーを引き起こしやすい。
- 治療に30日以上を要する症例が見られるなど、人によっては、アレルギー性接触皮膚炎が日常生活に支障を来すほど重篤化することがある。
- これまでに毛染めで異常を感じたことのない人であっても、継続的に毛染めを行ううちにアレルギー性接触皮膚炎になることがある。
- アレルギーの場合、一旦症状が治まっても、再度使用すれば発症し、次第に症状が重くなり、全身症状を呈することもある。
- 低年齢のうちに酸化染毛剤で毛染めを行い、酸化染料との接触回数が増加すると、アレルギーになるリスクが高まる可能性があると考えられる。
(対応策等) - 消費者は、セルフテストを実施する際、以下の点に留意すべき。
- テスト液を塗った直後から30分程度の間及び48時間後の観察が必要(アレルギー性接触皮膚炎の場合、翌日以降に反応が現れる可能性が高いため、48時間後の観察も必要)。
- 絆創膏等で覆ってはならない(感作を促したり過度のアレルギー反応を引き起こしたりするおそれがあるため)。
- 酸化染毛剤を使用して、かゆみ、赤み、痛み等の異常を感じた場合は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があるため、消費者は、アレルゲンと考えられる酸化染毛剤の使用をやめる、医療機関を受診する等の適切な対応をとるべき。