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知事記者会見(平成28年10月19日)
平成28年10月19日(水曜日)午後3時00分
知事 |
今日は2テーマ、いずれも人材についてでございますが、最初のテーマが「第19回全国農業担い手サミットinぎふ」で、11月10日(木曜日)、11日(金曜日)に開催いたします。かなり準備は進めてきておりますけれども、残すところ22日ということでございます。お手元の資料に、宮内記者会同時配布資料というものがございますが、ここにございますように、皇太子殿下の行啓とそれから皇太子妃殿下のご体調によっては、両殿下の行啓となりますと発表されておりますので、私どもとしては、そういうことになることを、地元としては、大いに期待をしてお迎えをしたいと、そんな気持ちでございます。 もう1点は、「岐阜県成長産業人材育成センター」の開所ということでございます。11月に県内企業の人材育成支援の拠点ということで、各務原市のアネックステクノ2の中にこのセンターを開所することにしております。岐阜県では、「岐阜県成長・雇用戦略」の中で、「航空宇宙」、「医療福祉機器」、「医薬品」、「食料品」、「次世代エネルギー」と、この5分野を成長分野と位置付けておりまして、特にリード役が航空宇宙産業であります。この5年間で製造品出荷額が82%増、従業者数が24%増ということで、著しい成長を見せてきております。さらに、MRJを始めとして、今後世界の民間航空機の新規需要が20年間で倍増と言われております。こういった成長が期待される分野で、なんと言っても人材をしっかりと育てて、これに取り組んでいくということでございます。 |
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記者 |
担い手サミットのことで、知事が一番伝えたいメッセージは何ですか。 |
知事 | 毎年毎年、農業者が中心となって集まって、担い手の大切さと言いますか、特に、全国的に担い手不足、急速な高齢化が進んでおりますので、問題意識は一致していると思いますが、その中で、岐阜県としては、次の世代の人たちに注目しているという意味で、次の世代の若い人たちに、このサミット自身の運営の一端を担ってもらったり、行事の中でしばしば登場してもらったりということもありますし、岐阜県ならではの、先程申し上げましたように、研修から就農、そして地域での生活あらゆる面で、その担い手を大切にするということで、支援体制を県内でかなり強固なものを作りつつありますので、これを全国に発信をするということです。また、岐阜県の担い手の皆様にも、そうした岐阜県の取組みに対して、誇りと自信を持ってこれから突き進んで行っていただく、そうしたいいきっかけになると思います。 |
記者 | もう一つは「岐阜県成長産業人材育成センター」ですけれど、「かかみがはら航空宇宙科学博物館」と「モノづくり教育プラザ」と、どのように連携していかれますか。 |
知事 | 世代的には、それこそ小さいお子さん方から、小学生・中学生の皆様に、航空や宇宙への憧れと言いますか、フロンティアスピリットと言いますか、そういったものを感じとってもらうという意味では、「かかみがはら航空宇宙科学博物館」がふさわしいと思います。もちろんもっと上の世代の方も対象になりますけれども。 それから、「モノづくり教育プラザ」は岐阜工業高校に設置しますので、どちらかと言えば、県内の高校生を対象にしたモノづくり研修となります。そのモノづくりの中に例えば航空宇宙で用いられる新しい素材、素材加工のようなテーマをカリキュラムの中に組み込み、そのための機器、機具類の操作も覚えてもらいます。そういうことで、自分の将来について、この分野に関心を持ってもらうということです。 それから、既に就職しておられる方々については、航空宇宙というのは世界のトップ企業に対して部品、部材を提供するという部分がありまして、まさに国際レベルに達した技術水準を確保していかなければ、マーケットの開拓なども進まないわけでありますので、そういう意味でこの「岐阜県成長産業人材育成センター」というのは、現にやっておられる、三菱重工、川崎重工、富士重工等々の協力を得ながら、世界水準を念頭に置いた技術人材の育成ということで、それぞれ世代的に焦点を当てております。ただ、どういう物を見ていただくか、どういう物を感じとってもらうか、どういう機器類をどういうカリキュラムでやっていくかということについては、ある程度繋がっていけるような連携が、カリキュラム開発では考えていく必要があると思っております。 |
記者 | 関ケ原のことで2点お伺いします。先日関ケ原スペシャルウィークということで、知事も家康役をやられて、かなり大勢の方で盛り上がったと思います。大河ドラマの影響というところもあるのではないかと思っているのですが、その辺りで昨年度から再整備に取り組んできて、現時点で今の関ケ原というものをどのように分析していらっしゃいますか。また、今の盛り上がりを発展させていくために、一過性にさせないためには今後どのような取組みをされていきますか。 |
知事 | 関ケ原については、これまでほとんど手が加えられないままに続いてきたわけで、その状態の中で、3年前の関ケ原の数字によりますと年間10万人くらいのお客様がお出でになりました。それで一昨年あたりから色々な議論を持ち出して、少し行事についても工夫を始めたというところで、一昨年が年間14万人。昨年は駅前の交流館というか、お土産屋を始めるなど、それこそ(大河ドラマの)真田丸の関係で、大谷刑部役の片岡愛之助さんに来ていただいたり、各武将観光など色々な面で連携を取ったりというようなことを始めて、昨年が年間23万人ですか。10万人から14万人、23万人と増えてきておりまして、今年は初日が3万人、行軍した二日目は5万人で、既に8万人入っていると聞いております。まだ今やっているところで週末も色々なイベントをやりますし、各地の協賛行事もありますので、どうなるか分かりませんが、(年間)30万人程度はいくのではないかという見通しです。 逆に言うと、少し手を加えただけですけれども、かなり色々な方々が反応してきてくれているなというのが正直な実感でありまして、特に今年随分言われました家康の最後陣地のところが、ごちゃごちゃと色々な物があったり、雑木があったりして非常に分かりにくく、そこを整理して、芝生広場にしました。そうしたら、あれだけの大きなイベントを、テントを張ってできたということで、関ケ原に分かりやすいイベント会場が一つできたというのがお出でになった皆様の感想で、しかも非常に場所的にも良いということでした。ハードの面で、これから陣地ごとに、場所ごとに何を残して、何を省いて、背景や周辺の整地をどうするか、案内板をどう統一していくのか、どういうルートで回ると楽しめますというウォーキングコースをどう分かりやすく見せていくかなど、とりあえず7人の武将の物語ということでやっております。そのような各エリアの整備と、センターをどう変えていくかということで、今ある資料館の前のスペースが相当空きますので、整地をして新たに、展望台も含めたしっかりとしたセンターを作りたいと思っております。ゲティスバーグに行きますと、360度のジオラマと言いますか、ゲティスバーグの戦いを再現するようなITを使って色々しておりますけれども、そういうことも含めてきちんとした関ケ原という場所の紹介、そこで起こったことの紹介、その地域のさらなる広がりの紹介など、それから色々な屏風絵、甲冑などの文物の紹介・展示など、色々なところができるセンターをきちんとこれから数年かけて作っていこうということも考えております。ハード面で、グランドデザインもできておりますので、そのスケジュールに沿って5年計画でやっていくと。ソフトは本当に無限大と言ってもよいくらいやれることがあるので、むしろ皆様方からもお知恵をいただければ大歓迎です。例えば今回、花いけバトルというものをやりましたけれども、あれは毎年京都で行われていまして、東西対抗花いけバトルと言うのですが、東西対抗は関ケ原に決まっているということで、今回いわば誘致した格好になっておりまして、皆様も京都でやるより関ケ原のあの場所でやるというのは、気合が入るというか臨場感があるというか、非常に喜んでおられました。今後そういう東西対抗と言いますか、東西を対比するような歴史イベントもあれば、食のイベントもあれば、文化のイベントなど色々な物があると思いますけれども、そういったことについて関ケ原をどう使っていけるかということです。それから、お土産のどん兵衛の東西対決は定番として売れておりますけれども、まだまだ工夫する余地はたくさんあると思います。特に信州上田の真田のお土産は素晴らしいですよね。だからやはりそういう観光地に相応しいお土産を工夫したいと思います。 それから今回試しにやってみたのですが、夜の関ケ原ということで、去年は花火大会と灯りを持った行列をやってみたのですけれど、世界の主な観光地というのは必ず光と音のショーと言いますか、ドラマチックに往時を音と光で再現するというか、見ている人にワクワク感を与えるということで、有料でやっています。どこでどうやると何ができるのか、360度(視界が)開けていますから、いい物を作れば大変壮大な、ダイナミックなパノラマビューというものを、夜に音響効果も含めて色々なことができるのではないかということも考えておりまして、また色々な方の知恵をお借りしたいと思いますが、それやこれやソフトを考えなければいけません。 それからどんどん人が来られることとなりますと、どこから入っていくのかということで駐車場のあり方も考えなければいけません。今回、特に2日目は電車がずいぶん増発されました。電車もぎゅうぎゅう詰めで、こういう時期にどのくらいの車両が走るのが相応しいのかと。JR東海に言わせますと、人通りとして名古屋岐阜間を10とすると、岐阜大垣間は3、大垣関ケ原間は0.1から0.2ということです。今回のように5万人も入るようになりますと、じゃあどうするのですかということで、車で来られる方、電車で来られる方、それぞれ来やすくしていくという工夫もいると思いますし、そういう意味ではまだまだであります。それから車で行っても近づくと「関ケ原に来たな」と思わせるものがあるのかないのか、どの辺りからどういうふうにその辺りを演出したらいいのか。それから駐車場がある程度散らばっていますから、どこが空いているのかといった誘導手段をどうするかなど、やることは非常にたくさんあると思います。 今年は(大河ドラマの)真田丸効果ももちろんありますし、これはお互いさまで。お互いに相手のイベントを活かしながら盛り立てていこうということですから、一緒にやらせていただいていますけれども、今後その辺りもどうしていくのか。根強い関ケ原ファン、戦国ファンもおられますし。それから伺っているところによりますと、来年は、まさに司馬遼太郎の(歴史小説)関ケ原をベースにした映画もできるということになっておりますので、今度は映画とタイアップするということも一案としてありますし、考えることはいくらでもありますので、この辺りはぜひ皆様方にもお知恵をいただいて、あらゆることをやっていきたいと思っております。ゲティスバーグは7,000人の町で年間300万人のお客様が来ると、スミソニアン航空宇宙博物館は年間800万人のお客様が来るというのが、ワールドオーダーなんですね。私は、関ケ原は世界に十分通用する歴史、文化色々な意味で貴重な財産だと思いますので、いきなりそこまではまだまだ遠い目標ですけれども、まずは手近なところから確実に伸ばしていきたいと考えております。 |
記者 | アニメの「君の名は。」が非常に爆発的な人気になっておりまして、今年の夏で見ると、岐阜市の「ルドルフとイッパイアッテナ」、あるいは大垣市の「聲(こえ)の形」、今年に限らないところまでいくと、例えば高山市の「氷菓」、美濃加茂市の「のうりん」など、結構広くアニメで岐阜県が舞台になっています。さきほどと似た質問になりますが、知事としてこの人気をどのように御覧になっておられるかと、一過性にならないためにどのような考え方なり対応が必要か、お考えがあればお聞かせください。 |
知事 | 関ケ原の場合には、場所があって、歴史的な資産があって、これをどういうふうにさらに磨いて発信していくかということですから、努力すればするほど一過性でなく着実に重ねていけるのですが、このアニメブームというのは、作家がいてアニメとして紹介されて、それを映画にしようというプロセスがあって、映画になって、それが色々な形でブームになっていくという、色々なクッションがあるわけですよね。そういうプロセスを行政なりなんなりが、全部コントロールするという世界ではありませんので、かなり偶然的な要素があります。そして、言われたようにいくつかあるのですけれども、相互に関連があってそうなったのかというと、たまたまあるものは飛騨市であり、あるものは岐阜市であり、あるものは大垣市であるというということです。見ていると地元の対応も、突然「聖地巡礼」といって若い子が大挙して来るものですから、「えっ」と驚いて、どちらかというとその流れを追うように、あるいは流れをスムーズにさらに広がっていくように行政として関わっていくというか、キャンペーンをやっていくというか、そういう形にどうしてもなりがちになるわけです。 アニメ映画というふうにこの枠組みを考えるのがいいのか、岐阜県の映画文化と考えるのがいいのか、あるいは岐阜県出身の作家が今、芥川賞、直木賞等々目白押しですよね。そういった方々が書かれた作品の映画化や、脚本化などがありますし、今度の週末は北川悦吏子さんが柳ヶ瀬に来ます。私もちょっと寄らせてもらおうと思っておりますけれども、そういう岐阜県出身の脚本家、作家、あるいは映画監督、そういった方々の輪をつくっていくと言いますか、そういう輪をつくっていく中で、ある時はアニメであったり、ある時は若者映画であったり、そういうものが岐阜県との関わりの中で私どももきちんと受け止めて、岐阜県の良さをアピールする一つの手立てとして、そういう流れを活かしていくと言いますか、そのようにやっていくのかと考えています。 今回の聖地巡礼ブームというのはやや突然起こったことですので、これがどこまで長続きするものなのか、それから全国が一斉におらが町もアニメで、ということで色々と動き出しておりますので、これがどういうことになっていくのかなど、今ある一つの流れを大切にしながら、その中で次の流れにどう入っていけるのかということを、もうちょっと時間をかけて見極めていく必要があるのかなと思っております。 |
記者 | 東京オリンピックのボートの会場の件ですけれども、都の見直しの候補の一つとして長良川が入っているということでその受け止めをお伺いします。 |
知事 | 海津のコースは、ちょうど私の1期目の時に世界ボート選手権をやりまして、場所、それから使い勝手、運営、あらゆる面で非常に高い評価を得ておりますので、国内はもちろんですけれども国際的にも関係者の間では、あそこの有効活用ということは色々な機会に言われております。一方で東京オリンピックはコンパクトオリンピックということで打って出てやってこられたものですから、海津市もそうですけれども、どちらかと言うとこういう素晴らしいものがあるよということは、つとにJOCや組織委員会など色々な時にお話をしながら、仮にコンパクトオリンピックであっても合宿地として色々なところを利用されるのでしょうと。ホストタウンといった構想もありますし、岐阜県としてはそういう優れた場所を持っている立場から色々な形でオリンピックに協力していくことができますよなど、色々なことをずっと言い続けてきておりまして、そういう流れの中で、昨今の議論の一環として、長良川のボートコースが引き合いに出されるというのは、それ自身は大変光栄なことだと思っております。 ただ現時点で、この流れの中に改めて私があるいは岐阜県が、海津市がどうするこうするというよりは、これがどういう方向に物事が進んでいくのか、よくよくフォローしていこうというのが今の基本的な立場です。そういう意味では、どのように言われているか、どのように引き合いに出されているか、それからそもそもこの問題がどのように着地点を見出していくかなど、大変関心を持って見守らせていただいているということです。 |
記者 | これまでに小池都知事の方から何かお話や問合せのようなものはあったのでしょうか。 |
知事 | 先方から直接はありません。 |