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知事記者会見(平成28年4月1日)
平成28年4月1日(金曜日)午後2時00分
知事 |
今朝ほど新規採用者の辞令交付式をやりましたけれども、今年は150人ということで、ここ最近の採用からすると比較的いい採用ができたのではないかということです。参考までに申し上げますと、平成23年度が45人、24年度が69人、25年度が98人、26年度が135人、それから昨年度が160人ということで、ずっと右肩上がりで来ていましたけれども、去年よりちょっと少ないですけれども、比較的高い水準で採用ができたのかなというところでございます。 今年度の政策ということでは、すでに何度も申しあげておりますように、「清流の国ぎふ」創生の本格展開ということで、4つの柱でやっていこうということなんですが、お手元にスケジュール表をお配りしておりますけれども、これが全てではありませんが、ちょっと見ていただいて、これから一年間どのようなことが起こるのかということでございます。 もう1つが、県立の羽島特別支援学校でございますけれども、私ども平成18年度から子どもかがやきプランということで、特別支援学校の新設あるいは、改修等々積極的に取り組んできておりますが、この羽島特別支援学校、岐阜県の南部が特別支援学校の空白地域になっておりまして、かねてから、急がれていたわけですが、特に大垣や海津の方は遠距離通学をしておられ、大変ご苦労をおかけしてきたところですが、ようやく完成になるということでございます。 |
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記者 | 知事会の方で今年もし提言や何か盛り込まれる予定みたいなことのお考えがあればお聞かせいただきたい。 |
知事 | 今、地方創生対策本部長をやらせていただいていますが、制度的にと言いますか政策的には地方創生の法律ができて、国の5年間の戦略ができて、そして全都道府県、全市町村の5年間の戦略が出揃って、そのための予算として補正も合わせてですけれども、交付金が出揃って、あとはそれぞれに各論をやっていくという、こういうところまで来ておりますので、予算の使い勝手とか、実際の運用で色々窮屈になってくるとせっかくの地方創生がうまくいきませんので、そういった観点から色々と要望とか(をしていく必要があろうかと思います)。 テーマとしては、国の機関の地方移転ということで、だいたい大筋見えてきたわけですけれども、岐阜県の場合には森林技術総合研修所と宇宙航空研究開発機構の研修などを、一部岐阜の施設でやってもらうということで決まりましたが、割と協調しやすいというか実行しやすい、その辺りも意識して提案したわけであります。これは別に地方分権を進めようというわけではないんですよね。国の機関を地方へ持っていくということで、権限を国から地方に移譲するということではないわけでありまして、その場所を地方に移すということで、それがまた一極集中是正につながるという、そういう狙いだと思いますけれども。これも色々な評価がありますけれども、まだ試行的なものもありますけれども、(国の基本方針が)出ましたので、これもどう評価するか、それからもう少し試行的にやったうえで最終結論を出すという部分がどうなるかという辺りをフォローしていくということになります。 あともう一つ、フォローしていかなければならないのは移住定住です。これは各県が競うように、関東圏を中心に色々なキャンペーンをやっておりますし、結構人の動きも出てきています。岐阜県も割と順調にきておりますし、今度は関東だけはなしに、名古屋とそれから大阪にも移住定住のセンターを出そうということにしておりますので、これが全国的にどういうふうに展開されるか、もっとテコ入れをできるかどうかなどその辺りが話題になると思います。 もっと見えているテーマというのは観光と、それからTPPを活かした農業の輸出競争ということですね。私は移住定住の石破大臣の検討会のメンバーにしていただいているのと、それから先だっては農業の輸出競争力について、自治体としては唯一、岐阜県が非常に何年か前から飛騨牛をはじめとして積極的な輸出促進をやっているということで、それのプレゼンをやってくれというお話でありましたので、いくつかの提言もしてまいりましたけど、この2つの固まりですね、特に農業の輸出、これは非常に政府も熱心に取り組もうという意気込みで、かなり具体的な政策論もやっておられますので、これをよくフォローしていきたいと思います。ちょっとだらだら申し上げて恐縮ですけれども、総論的にふわっと地方創生うんぬんというよりも、そういう柱になるところを一つ一つ今年は見極めていくと、そういったことになるのではないでしょうか。 |
記者 | 世界遺産の件でお伺いしたいのですけれども、12月に世界農業遺産に「清流長良川の鮎」が登録されまして、「岐阜県『世界に誇る遺産』連合」も発足しましたけれども、こういうものを実際に地域の活性化や経済の活性化、観光客の呼び込みに、ユネスコの世界文化遺産や自然遺産のように遺産自体にあまり知名度がないようなところで、どのようにPRしていくのか、3月の議会でも答弁で少しお話されていたと思うのですが、改めてお考えがあればお聞かせください。 |
知事 | 世界遺産というものは実際に海外で観光キャンペーンをやっておりますと、アジアにしてもヨーロッパにしても、これは世界遺産ですよと言うと、ツアーエージェントの皆さんの顔つきが変わりますからね。やはりそれだけ権威のあるといいますか、非常に関心を示されます。知らないなら知らないでますます一生懸命聞いてくるという感じがありましてね。 まず白川郷はある意味じゃもう確固たる地位を築いておりまして、もう20年世界遺産やっておりますから。まさに今のインバウンドの吸引力の一つが高山、白川郷ですからね。そういう意味では十分力を発揮していると思います。 このところ杉原千畝の申請をいよいよ出しますよということだけで、急速に八百津へのお客さん増えておりますし、八百津から下呂、高山へと抜けていく新しい観光ルートもできておりますので、これはもう最初は高山のホテル旅館街の方々が「どうして最近ユダヤ人が多いのですか」と言っていたのですが、最近は分かってきておりますので、意識的に連携を組んで、あるいはこっちからツアーの提案をしていくといいますかね、そういう話も始まっておりますし。 それから高山祭、古川祭はもう恒例で、街中が溢れかえらんばかりの人がおいでになっておられますので、さて世界遺産になったらあの街はパンクしちゃうんじゃないかというか、今でももう宿なんていうのは一年前からほとんど一杯ですからね。そういう意味で受け入れのキャパをどう高めていくかということを考えながら、さらに吸引力を高めていくということになろうかと思います。大垣祭は逆にまだまだ受け入れ余地は十分ありますので、むしろ私は今から秋(のユネスコ無形文化遺産の審議)をにらんで、今年の5月の大垣祭はそれのいわば前夜祭のようなつもりで思い切った企画を組んだらどうですかということを内々に申し上げておるんですけれども。 それから、そういう大垣祭と今、どうやっていくかと問題になっている養老鉄道と関ケ原をつなぐとか。大垣城に石田三成がいたわけですから、そこから関ケ原に行ったわけですので、去年もそこを意識してリレーシンポジウムをやりました。 そういうふうにつないでいくと。そんなことで、随分意識はされていると思います。 本美濃紙は、あかりアートをあちらこちらへ持っていくということで、こんなところにこんなふうにあかりアートを持ってきてなかなか面白いねということで再認識されて、つながっているということです。かつては、クリスマス・年末に青山通りにあかりアートを持っていきました。これが世界遺産を目指す本美濃紙だと言ってやりました。去年は、白川郷の20周年に協力するということで、「美濃和紙あかりアートin白川郷合掌造り集落」というのをやりましたし、「花フェスタ2015ぎふ」で夜の花フェスということで、あかりアートのプロムナードを作りましたし、今そうやって色々出て行きながら、つながっていくということで、全体としては随分つながりが出てきているのかなと。 むしろ、これからというテーマは、「清流長良川の鮎」というのをどうやっていくかで、アクションプランは出来上がっていますので、やるべきことは20くらいテーマがありますので1つ1つこなしていくということですけど、その中で私が期待しているのはこちらで用意したアクションプランを、内水面漁業の研修センター作ります、あゆパーク作ります、ロゴマーク作ります、鮎の日とか、そういうのに合わせて色んな人が立ち上がってくれることがありがたいと思っております。 先だって、世界農業遺産協賛ということで、岐阜市で商工会議所で鮎菓子を食べようという、「鮎菓子たべよー博」をやりました。商工会議所主催で本来は秋の予定を、1回まず、商工会議所で試験的にやってみようと思ったら、あの狭い建物の中に7,500人いらっしゃいました。 私も10時スタートということで、ちょっと余裕をみて11時に行ったらもう入れないんですよね。長良橋通りも人があふれ返っておりますし、中もびっしりですし。親子連れでできる鮎菓子作りの体験コーナーとか、31社が協力していますから、31種類の鮎が並んでいて、自分の好きなものを詰められるとか、あれもまさにそういう動きです。 色んなそういう意味での、鮎をテーマにあるいは、清流長良川の里川ということをテーマに、色んな活動が考案されてくるというか、それを期待しております。 石川県は里山・里海の世界農業遺産ですから、こちらは里川ですから両県で何かわかりやすい里山・(里)川・(里)海のつながりで何かやろうと検討中ですけれども、色々つないでいくということでやっておりますので、是非皆さま方からも色々提案とかしていただければと思います。 杉原千畝の募金ももう100万を超えようとしておりますし、結構皆さん協力していただいております。 |
記者 | 3月の議会で渡辺議員から管理職の方の精神疾患についてという質問とその答弁がありました。あの質問と答弁を聞いて、何が起きたのかわからないので、実際にお話しできる範囲があると思うので、もう少し詳しく何があったのか。不適切な指導という表現だったのかと思いますけれども、どういう内容だったのでしょうか。 |
知事 | 一言で言えば、非常に厳しい叱声、叱責をしたということです。それを受けた担当課長さんにとっては、非常にショックが大きかったということで、しばらく休暇を取るに至ったということです。今まで職員の色々なことについて、できるだけ目配りをし、早めに相談も受けるということで仕組みを作っておりましたが、今度は管理職のケースが今までなかったので、管理職のケースも想定して、管理職の相談も受け付ける。管理職の悩みも聞かなければいかないということで、副知事をヘッドにして、そういったことの情報共有とか、それから管理職として、本当に悩んだときに誰に相談したらいいのかという仕組みづくりや、一般職員だけではなく、管理職も入れた仕組みを再構築しようということで、今やっているということです。 |
知事 | 今日、国交省の道路関係予算が発表されました。分析していますけれども、だいたい必要な予算はいただけたのかなと。特に濃飛横断の中津川工区ですね、これが新規事業採択ということで、これから実際にスタートするわけでありますが、新規事業ということで認定を受けました。元々中央自動車道から下呂方面のアクセス強化でありますが、リニア開通をにらんだアクセス道路ということでもありますので、我々にとっては、また地域にとっても非常に大きな第1歩だと思っております。 東海環状の西回りについては、かねてからあらゆる機会をとらえてお願いしておりますけれども、道路改築予算がなかなか伸びていない中では、対前年度比3%増ということで、345.64億円ということで一定の配慮をいただいたということでございます。早期完成に向けて補正であれ、なんであれ更にあらゆる機会をとらえて強く要望してまいりたいと思っております。 |