本文
平成27年度「ぎふ水土里の魅力写真コンクール」の結果について
清い流れの農業用水(水曜日)、緑豊かな農地(土曜日)、豊かな自然や田園風景を擁する農村(里)は、人間の生命を支える食料の重要な供給源であるばかりでなく、生態系の保全や洪水を防止するなどさまざまな面から私たちの生活を支えています。
また、農地や農業用水等の資源(水・土・里)は、都市に暮らす人々が将来にわたり、よりよい環境のもとで生きていくためにとても大切なものであり、“県民共有の財産”です。
農村における営農活動、農業体験活動、伝統文化の継承などは、地域の人と人、都市と農村、水と農地などを「つなぐ」ことにより守り伝えられています。
このたび、農業・農村の様々な魅力について広く県民の皆さんに知っていただくため、「つなぐ」をテーマとしてぎふ水土里の魅力写真コンクールを実施し、入賞作品が決定しました。
<募集テーマ>ぎふの水土里をつなぐ
平成27年度に実施した「ぎふ水土里の魅力写真コンクール」の入賞作品を紹介します。
最優秀賞(知事賞)1作品
【題名】田植機に乗って【撮影者】佐藤幸邦氏
審査講評
田んぼの農作業体験は、手植えに手刈りが主流であった。厳しい稲作の実体をつなごうとする意図からである。この作品は、これからの農作業体験に新たな方向を示唆する。
田植機を運転する子ども、その背後から温かく見守る指導員。田植機を運転する子どもの楽しげな表情が農業の未来や希望をつなぐ。
これからの農作業体験は過酷な作業の延長にのみあるのではない。先人が築き、つないできた棚田がまるで遊園地のようではないか。
新たな田植え体験の一コマを見事なシャッターチャンス、シャープな映像、芸術的な構図で切り取り、「ぎふの水土里をつなぐ」写真コンクールの最優秀賞にふさわしい傑作である。
優秀賞(農政部長賞)2作品
【題名】ちょいと一服【撮影者】中井孝弘氏
審査講評
最近、女子力という言葉が流布している。
かつての水田農耕社会の田んぼでは稲神の宿る苗(サナエ)を稲神の化身(サオトメ)が植えた。サクラ咲く季節にサナエをサオトメが植え、稲神様のお力にすがる。みんなこのようだった。
この結の力を現代の農業女子がカラフルなつなぎ服で見事に体現してくれた。苦しいながらも楽しみながら体に堪(こた)える田植えを女子力で結う。
早春の淡い緑を背景に、棚田と水面に華やかな色彩が加わり、最優秀作とともにこれからの農作業体験の姿を示唆する。
田植え体験の一コマを芸術的な構図、シャープな映像で切り取り、色とりどりのつなぎ服の早乙女が田植え作業に躍動感を与えている。最優秀作品に劣らない秀作である。
【題名】棚田を守る老婦【撮影者】竹岡正行氏
審査講評
田植えを終えたばかりの棚田の畦で一人のおばあちゃんが黙々と草刈りにいそしむ。かつては、手鎌で刈っていた畦草をうなりをあげながら草刈り機が払う。棚田をつなぐ現在の姿の一瞬である。
棚田は、こうして営々と引き継がれてきた。老婆には、無精髭のような草も気になるようだ。腰の据わった老婆の体、うなるような草刈り機の音が棚田を保全継承する現実の姿を体現している。
作品は、水神碑を背後に配し、棚田をつなぐ畦草刈りの老婆の一コマを見事な構図で切り取った秀作である。
佳作10作品
【題名】里山の秋
【撮影者】後藤守忠氏
【題名】棚田の共同作業
【撮影者】太田宣行氏
【題名】どろんこサッカーキックオフ!
【撮影者】佐藤幸邦氏
【題名】包むのがむつかしいなー。(ヨシ巻団子つくり)【撮影者】熊崎重好氏
【題名】親子で楽しい野菜づくり
【撮影者】奥田忠良氏
【題名】夏の贈りもの
【撮影者】三宅あや子氏
【題名】水路の巡回点検
【撮影者】長谷川克氏
【題名】田植え体験
【撮影者】長谷川克氏
【題名】光と共に
【撮影者】青木孝義氏
【題名】転(こ)けた!
【撮影者】鈴木量雄氏