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木造不動明王立像[もくぞうふどうみょうおうりゅうぞう](国分寺)

分類 重要文化財
指定別
所在地 高山市総和町
所有者 飛騨国分寺
指定年月日 昭和48年9月12日

木造不動明王立像

  • 檜材寄木造
  • 像高:112.0cm台座の高さ:21.0cm

 宝髪は通常の巻髪であり、弁髪を左肩に垂下[すいか]している。
太い眉を寄せて、大きい眼をみひらき、下牙で上唇を噛み、左の上牙で下唇を噛む。真正面を向いた堂々とした姿勢、重厚な躰部、面部から逞しさを感じる。また、両耳朶の重いうねりの形から厳しさを感じる。全体として、両脚をふんばり、安定した立像の姿勢は力強い。左手は屈臂[くっぴ]する形が普通であるが、この不動明王は垂下して羂索[けんさく]を持っている。
制作者は、巻髪、全体の肉づけ等、一見して、江戸時代初期の湛海の作ではないかと思われる。生駒山宝山寺にある湛海の不動明王の代表作に通じるものがある。
この不動明王の台座の裏には、朱の漆書がある。これによると、この不動明王は、高山市西一色町に、庭樹院が建立した東照大権現御官守松泰寺にあったが、明治の初めの神仏分離の際に、松泰寺は廃寺となり、国分寺に移され、護摩堂の本尊として安置されたものである。