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円空作仏像群[えんくうさくぶつぞうぐん](千光寺)
木造円空作仏像群[もくぞうえんくうさくぶつぞうぐん]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 高山市丹生川町下保 |
所有者 | 千光寺 |
指定年月日 | 昭和47年7月12日 |
- 一木造彫眼
- 像高三十三観音:80.0cm〜100.0cm
三十三観音や善財童子、護法神など53躯が指定されている。中でも三十三観音があるが、日本の仏像史の中に、どこを見てもこの三十三観音のような仏像形式はなく、印度や中国にもない。これは円空独自の創造である。この三十三観音は、遠くから見ると一見同じ類型にみえるが、よく見ると1躯1躯違っていて、興味深い。マンネリズムではなく、1躯1躯心を込めて造っている。何れも刀の勢いにのった自然のリズムで構成されている。この斬新な三十三観音は貴重な存在である。
円空は各地で善財童子像を多く造っているが、この千光寺の善財童子像は、中でも傑作であると思う。敬虔に合掌している青年の姿勢は、美しく尊い。人間性豊かで、善意あふれるものを感じる。
護法神の大作が2躯ある。像高238.0cmと216.0cmである。円空は同じ作品を決して作っていないが、護法神は、高山市の飯山寺と全く同じで珍しい。この護法神は、思い切った抽象がなされ、胴体も腕も足も、ことごとく省略してある。円空仏の傑作の一つに数えてもよいと思う。