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観世音菩薩[かんぜおんぼさつ](禅昌寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 下呂市萩原町中呂 |
所有者 | 禅昌寺 |
指定年月日 | 昭和34年12月16日 |
- 寄木造玉眼漆箔
- 像高:90.0cm
本像は、自然材木を彩色して、大石窟の様にした厨子の中にある。宝髻[ほうけい]は高く、宝冠は透かし彫りである。目は、玉眼で、白毫[びゃくごう]は水晶製である。右足を膝より曲げ岩に垂下[すいか]し、左足は膝を屈して坐る。像全体に漆箔が施されている。通肩[つうけん]の衲衣[のうえ]模様は麻の葉その他を描いている。瓔珞[ようらく]を首より胸に垂下している。全体の表現は絵画的要素を含み、我が国禅宗の伝来によって現れた宋風芸術の影響が見られる。また仏像彫刻の本質から、工芸的、技術的、線条的に傾いて行った室町彫刻の典型である。
面容は玉眼で、口髯があり、唇は朱色、観音菩薩としては厳とした表情である。本像は当時代の仏像としては代表的なもので、専門仏師の力作である。