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木造地蔵菩薩立像[もくぞうじぞうぼさつりゅうぞう]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 加茂郡富加町加治田 |
所有者 | 清水寺 |
指定年月日 | 昭和41年2月8日 |
- 檜材寄木造玉眼
- 像高:73.0cm台座の高さ:42.0cm
清水寺のこの地蔵菩薩は、延命地蔵菩薩といわれるものである。寄木造の玉眼像である。
法衣には、蓮の花の単独紋様、麻の葉、渦巻、蓮の上下二方連続模様などの精巧な截金[きりがね]紋様が、前面、側面、後部に施されている。鎌倉時代から室町時代にかけて盛んに行われた技法である。
光背は円光、台座は蓮華座である。地蔵菩薩本来の顔の表情は、眼、鼻、口が同心円の中に含まれ、幼児らしく見えるものである。しかし、本像は幼児表現の部分は不足して、童顔の地蔵菩薩ではなく、厳とした成人の地蔵菩薩といいたい。頭部の金箔が剥落しかけている点や、両袖部を欠失して補修を行っている点が惜しまれるが、当代の面影がしのばれる立派な地蔵菩薩である。
本像の制作は、室町時代と思われる。