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聖観世音菩薩[しょうかんぜおんぼさつ](明鏡寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 加茂郡八百津町伊岐津志 |
所有者 | 明鏡寺 |
指定年月日 | 昭和33年7月16日 |
- 檜材寄木造玉眼
- 像高:50.0cm膝張:36.0cm
本像は檜材の寄木造で、ずんぐりとした均斉のよくとれた聖観音坐像である。
宝髻[ほうけい]は高く、髪際波状で、口髯の墨描が鮮やかである。
胎内に下記墨書銘がある。
右正観音之志明鏡前住無肯元全庵立願
者也今玉堂曇球永為後世菩薩泰造立□也
貞治七年正月六日玉堂曇球花押
作者三条宰相法眼暁円花押
県内で墨書銘のある仏像は全部で10体位である。本像は胡粉盛上の手法で背面に麻の葉の文様が残っており、金箔も僅かではあるが所々に見られる。両肩を包む着衣法、覆いかかる衲衣[のうえ]の形式、衣褶[えしゅう]のくねくねした曲線、彫りも深く厚みがある。仏像彫刻が室町時代の工芸的形式的なものに移行して行く以前の彫刻で、迫力がある。