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木造釈迦如来立像[もくぞうしゃかにょらいりゅうぞう](崇禅寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 土岐市妻木町 |
所有者 | 崇禅寺 |
指定年月日 | 昭和31年2月24日 |
像高:80.0cm
僧ちょう(大冠に周)然は983年にわが国を出発し、大陸にわたり、986年8月18日、台州開元寺にあった印度伝来の釈迦の霊像を模刻し完成させた。その際造立に関係した人々の喜捨したものや、自分が中国まで持参した経文などを像内に納めた。翌年(987)7月像を携えて帰国し、洛西嵯峨[さが]の清涼寺[せいりょうじ]に奉安した。
この像は、衲衣[のうえ]の衣文[えもん]や髪、手の形に特色があることから、嵯峨清涼寺式と言われる。崇禅寺の釈迦像は、清涼寺の釈迦如来像の模像の1躯で、嵯峨清涼寺式のものである。
この像は丸木彫で中心より、二つ割りし、胎内部を刳りとった手法で作られている。頭髪は縄文式の玉眼像である。袈裟を通肩[つうけん]にかけ、衣褶[えしゅう]を美しい波状線表現にしていることから清涼寺像に比べて若干日本化している。鎌倉後期の模作と思われる。