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木造千手観音立像(釣月庵)
木造千手観音立像[もくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 揖斐郡揖斐川町清水 |
所有者 | 釣月庵 |
指定年月日 | 昭和41年9月14日 |
- 檜材寄木造
- 像高:130.0cm台座の高さ:65.0cm
この千手観音像は、元補蛇山上の観音堂にあったと伝えられている。像全体としてバランスがよくとれた直立の美しい藤原式の千手観音である。
天冠台が刻出された彫眼像で、条帛[じょうはく]と瓔珞[ようらく]をつけ、両足をやや開き、重心が均等に両足にかかり、安定感がある。
正面上段には合掌手を、下段には定型の宝鉢手をおき、脇手は、前中後と3列ならんでいたものと考えられる。従って前列は5臂[ひ](5本腕)、中列は7臂、後列も7臂、全部で42臂あったものと思われる。しかし、現在は20臂が脱落し、特に右脇手の脱落が多い。合掌手、宝脇手をはじめ手はすべてつぎ手で、臂内に垂下[すいか]する天衣の部分もついでいる。
髻の頂上には阿弥陀仏をおき、天冠台の上に横に一列に化仏[けぶつ]をおいている。これが7面で、その上に3面あったものらしいが、現在は欠失している。台座及び光背は後補である。