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聖観世音菩薩坐像[しょうかんぜおんぼさつざぞう]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 多治見市虎渓山町 |
所有者 | 永保寺 |
指定年月日 | 昭和32年3月25日 |
- 檜材寄木造玉眼盛上彩色
- 像高:62.5cm自頂至顎:30.0cm自髪際至顎:10.0cm面幅:10.0cm面奥:13.0cm
観音堂須弥壇[しゅみだん]の上、自然木を大きな石窟のように組み合わせた岩窟式厨子の中に結跏趺坐[けっかふざ]する聖観音である。観音像は寄木造、玉眼で盛上彩色で、衲衣[のうえ]肩の下に、麻の葉の模様が描かれている。それは横、背後に渡って精巧に縦又は横の連続模様として描かれている。全体として表現は絵画的な性質を帯び、温和で迫力は乏しい。宝髻[ほうけい]は高く両手に環釧[かんせん]を巻き、胸飾があり、瓔珞[ようらく]は欠失している。
本像は、両肩を包む着衣法、左右の肩に、覆いかかる衣端のシンメトリーの形式、衣褶[えしゅう]のくねくねした絵画的な曲線等により室町時代の仏像の特色をよく表している。