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木造円空作仏像[もくぞうえんくうさくぶつぞう](神明神社)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 関市伊勢町 |
所有者 | 神明神社 |
指定年月日 | 昭和55年7月22日 |
- 一木造彫眼
- 像高左善財童子:48.1cm右護法神:48.0cm
善財童子は文殊菩薩の眷属[けんぞく]として祀るが、髪は二髻で上半身裸形に造ることが多い。この像は比丘形で衲衣[のうえ]を著け眉を深く刻み込んで老貌[ろうぼう]に造っている。合掌する手を前方に突き出し顔を上向きにして顎を突出する姿は見ようによっては童顔にも見えるところから善財童子と言われるようになったものと思われる。
全体の容姿はおだやかだが各所に荒いのみ痕を残し、背面を深く刻み込むなど円空仏の中でも優れた作品といえよう。
護法神は、目尻を釣上げて瞋目[しんもく]に造るが、口元から頬にかけては丸くおだやかな笑みさえ浮べる。髪は螺髪[らほつ]で背面にまで垂らし、衲衣の内で供手する。衲衣は左右対称で岩座上に直立する。背面は彫刻せず扁平だが突出した手は十分奥行きを感じさせ小像ながら彫刻性豊かな像である。以上の2躯は共に一本の木材から彫出したもので、両像を側面で合わせると木目が合致する。木取は丸太を半分の量だけ使用し像の正面を木の芯に向かって造る。