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木造不動明王立像[もくぞうふどうみょうおうりゅうぞう](養老寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 養老郡養老町養老公園 |
所有者 | 養老寺 |
指定年月日 | 昭和51年9月3日 |
- 檜材寄木造
- 像高:87.0cm
檜材、寄木造のこの像は頭頂に莎髻[しゃけい]を戴き弁髪を左方に垂らしている。また、左目半眼の天地眼で上下の牙を出している。口をかたく結ぶ忿怒[ふんぬ]相で、条帛[じょうはく]をかけ、裳[も]を著け腰紐を正面で結んで垂らしている。
左手は垂下[すいか]して羂索[けんさく]を執り、右手は屈臂[くっぴ]して三鈷剣を執る。全体に後補の彩色が施され、さらに線香の煙で黒色に変色しているが、制作当初は黒漆塗の上に彩色を行っていたと思われる痕跡が見られる。両手や足先の一部と光背、台座は江戸期の後補である。
しかし、像全体を通してよく当初の彫刻面を残していることは貴重である。条帛や裳の刻みが浅いこと、ふっくらと張りのあるおだやかな容貌から平安時代後期の制作であることがわかる。この不動明王の右手に持つ鉄製の宝剣は、大正4年3月26日、国の重要文化財に指定されている。現在は模造剣を制作して捧持している。