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釈迦三尊[しゃかさんぞん](飛騨市)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 飛騨市 |
所有者 | 常蓮寺 |
指定年月日 | 昭和36年3月6日 |
常蓮寺はもと竹林山華蔵寺と称し、天台宗に属していたが、現在は浄土真宗の寺院である。正嘉2年(1258)親鸞上人の弟子嘉念坊善俊が再興した真宗寺院である。
釈迦三尊の仏画の由来は不明であるが、天台宗時代から伝承されたものとは考えられない。仏画も元来拝するためのものであるが、仏教美術として鑑賞すれば、これは室町時代のよき作品である。かつて掛け放しにしたために、彩色も剥落し、褪色し絹も疲れている。江戸時代に細心な修補加筆をしている。中尊釈迦如来の面容は、原本より甘く描かれていると思われるのは修補加筆によるものであろう。色彩は全体として鮮明で優美である。構図は原本によるものであるが、主尊が大きく、下部向かって右の普賢菩薩、左の文殊菩薩とも小さく描いている。諸尊の相好は円満で、全体に麗美で優雅な截金または繧繝彩色文様、暈染染色の巧妙な手法は伝統の仏画描法通有の特色がある。