本文
紙本著色三宝荒神図[しほんちゃくしょく・さんぽうこうじんず]
分類 | 重要文化財 |
---|---|
指定別 | 県 |
所在地 | 恵那市 |
所有者 | 個人所有 |
指定年月日 | 昭和50年7月17日 |
三宝荒神は佛・法・僧の三宝を守護する鬼神で、佐和隆研「佛像案内」(吉川弘文館S38)によれば、今日目にふれるものには、3種類あり、第1は相好柔和で金剛薩土垂形を表すもので如来荒神と呼ばれる。
第2は八面六臂あるいは八臂の忿怒形で普通にいう三宝荒神像である。
第3は主として四臂の俗体神像形で頭に冠を頂き宝珠宝輪を高く掲げ、子島荒神と呼ばれるものである。
市川俊晴氏所蔵紙本著色画は佐和氏の分類に従えば第2のものにあたり、普通にいうところの三宝荒神ということになる。
本図は保存状態が必ずしも良好と言えないところが残念であるが、形式を守りながらしかも張りを失わない線描、朱、緑、青、金のバランスを生かした伝統的彩色など見るべきところを多く有している。一般に広く流布した親しみやすい室町仏画の典型として文化財の価値を十分有している。また、巻物が附属していて、その伝来が知られるのも貴重である。