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絹本著色涅槃図[けんぽんちゃくしょく・ねはんず](美濃加茂市)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 美濃加茂市 |
所有者 | 寺院蔵 |
指定年月日 | 昭和49年3月6日 |
涅槃図は、釈迦がクシナ城外、沙羅双樹の間で永遠の死についたという伝説に基づいて描かれたものである。平安時代から涅槃会が普及し、その本尊として多く作られるようになった。涅槃図の図柄は、普通、中央の8本の沙羅双樹の間の宝台の上に、右脇を下に安臥する釈迦を中心に諸菩薩、諸弟子、声聞、国王、大臣、鬼神、動物等、涅槃衆の悲嘆にくれる光景を描いたものである。
藤原時代の古い作は、釈迦を大きく強調し、涅槃衆の数も少なく周辺は静寂で、釈迦に向かって右斜め前からの俯瞰図となっている。鎌倉時代からは、釈迦周辺の涅槃衆の数が多く、賑やかになり、悲しみの表情も誇張され、釈迦に向かって左斜め前からの俯瞰図に変わっていく。
瑞林寺の涅槃図は、他の同種のものと比較して小さい作で、絹は荒い方だが、色彩は豊かである。瑞林寺の開創は文明年間と伝える。