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絹本著色親鸞聖人御影[けんぽんちゃくしょく・しんらんしょうにんみえい]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 郡上市八幡町柳町 |
所有者 | 安養寺 |
指定年月日 | 昭和41年2月8日 |
安養寺所蔵のこの画像は、絹地に着色をもって浄土真宗の開祖親鸞が斜め右向きで、白い襟巻きをつけ、黒衣黒袈裟で数珠をもち唐高座に坐った像を描いたものである。礼拝の対象としたものなので、精密丹念に描かれている。
画面中央の左側に「本願寺親鸞聖人」、上部には親鸞が作った正信偈の文4句の墨書の讃銘がある。この墨書銘は実如の筆である。幅の裏にも実如自筆の裏書きがある。この幅は、この裏書きによれば、安八郡大榑庄の安養寺(6代目)中淳が実如に願い出て明応2年(1493)に下附されたものである。
絵像の筆者は、本願寺は11代顕如のとき、天正18年(1590)絵所を設け、専属の絵師を抱え、門末へ下附する方便法身尊形、親鸞画像その他を描かせるようになったが、この頃はまだこうした施設はなかったので、常に本願寺の命をうけ、こうしたものを描いていた画家の執筆であろう。
この親鸞御影は郡上地方に初めて入った御影であるところから、この辺りではこれを「草分けの真影」と呼んでいる。